妊娠と歯周病 Summer 2003 -2


今でも妊娠している際赤ちゃんにカルシウムを歯からとられ歯をなくしてしまったという事をたまに聞きますが、これは違うのです。歯からカルシウムをとられると言う事はまずなく、実際は体のホルモンが関係しているのです。妊娠している時はホルモンのエストロジェン(卵胞ホルモン)とプロジェストロン(黄体ホルモンの一種)の量がとても高くなり、その副作用で歯茎のバクテリアへの対抗性が非常に弱まります。従って妊娠している時は歯槽膿漏が非常に悪化し易いのです。そして歯槽膿漏が悪化すると歯が抜けてしまうという事になります。しかも歯茎に特に異常がないお母さんでもこのホルモンの関係で妊娠している時だけ歯茎が腫れる場合があります。ですから妊娠する前に歯茎に異常がないか調べ、もし歯周病になっていたらすぐ対応すると言う事はとても大事なのです。また妊娠している間も毎日の歯磨きとフロスをがんばってしてください。

更にもう一つ妊娠前に歯周病を治しておく理由があります。歯周病になっているお母さんはそうでないお母さんに比べお産が早く、胎児の体重が低いという調査結果がアメリカのいくつかの大学でだされています。色々な早期分娩の理由になり得るものを調査した上での結果なので今では歯周病と低体重児出産はきっと関係していると考えられています。この関係の一番の理由として考えられている事は歯周病で弱まった歯茎から色々なバクテリアが体の血液の中に入ってしまい、その際、特に妊娠に悪影響を及ぼすバクテリアが入り、子宮までいってしまうと、体がそれに反応し早期分娩を起こしてしまうからだということです。また歯周病に侵されている歯茎は慢性的に炎症を起こしていて、体がこの炎症のために作っている炎症の要素も体中に回っていてそれが子宮にも影響しているとも考えられています。

未熟児として産まれてしまった赤ちゃんには問題がおこりやすいので赤ちゃんの為にも歯周病は妊娠前に治して頂きたいです。妊娠前の歯医者さんでの歯のクリーニング、そして妊娠している間も一度は歯医者さんでの歯のクリーニングをお勧めです。

妊娠中の歯の手入れ April 2015 もご覧下さい。

 

 

 

 

 
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