アマルガムの安全性と歯科医療の進歩 November 2006


1.アマルガムの安全性

今回は患者さんから歯の充填に使う重金属の安全性について書いて頂けたらというご要望がありましたのでこれにお答えさせていただきます。歯を治す際に使う金属はいろいろあるのですが、中でも一番安全性が問われている物はアマルガムという銀色の詰め物だと言えます。この詰め物は重金属の水銀が50%そしてそれに銀、銅、錫、亜鉛などを結合して作られているもので、水銀が50%入っているという事が健康に害を及ぼさないのかという議論が長い間続けられている材料です。と言っても当医院では10年以上アマルガムは使用していないですし、日本でも使われている量はとても少ない物でもあります。日本で使われている銀の詰め物の大部分は金銀パラジウム合金で水銀は入っていません。しかし、アメリカでも日本でもまた実際は世界中で今でも使われてはいますのでアマルガムについて知っておく事は良いとは思います。

アマルガムは、カナダ、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、ドイツ、デンマークでは妊婦への使用は避けるようにと勧告されています。また、米食品医薬品局(Federal Drug Administration)は、妊婦や幼児への影響捜査研究がもう少し必要だと言っています。しかし、American Dental Associationはとても安全であると主張しています。今年4月に米国医師会読(Journal of American Medical Association)に掲載された2研究でもアマルガムに問題は無いという結果をだしています。化学的にも水銀は他の金属と結合された地点からは害のある有機水銀では無いので大丈夫だとも言えます。1部の消費者団体また1部の歯医者や医師の方はアマルガムからは水銀が漏れ体に害をあたえると伝えています。確かに微量に水銀蒸気としてアマルガムからは水銀が漏れるのですが量があまりにも少なすぎて確実に害があるとはいえません。たくさんアマルガムが口の中にある方でも1回魚介類の食事をした際の水銀摂取量の数十分の一の水銀が長年をかけて漏れるという計算になります。つまり、アマルガムは安全らしいが使う必要性がなければわざわざ歯に詰めることは無いという考えがあっていると私は思います。特別にアマルガムやまた他の金属に対するアレルギーがある方であればその詰め物を取り除くのはあっています。アマルガムには利点が1つあります。材料が安くて詰めるのが簡単なので治療費が安いという事です。日本で使われている銀の詰め物も保険でカバーされる物なのでつまり銀の詰め物をする理由は経済的なものが大きいと言えます。


2.歯科医療の進歩

現在は歯の色でしかもすぐれた歯を治すための材質がいくつかあります。私はその中から個々の患者さんに合わせてその方に一番適応な材質で治療をさせていただいています。もちろん金属でも金やチタンなどを使うことが望ましい場合にはそのことを患者さんと相談の上で使わせていただいています。本来はもし虫歯で歯を治す必要がある場合、歯の色の詰め物の“複合レジン”という物を使うと、アマルガムや日本でよく使われている銀の詰め物よりも歯を削る量は少なくてすみ、しかも歯にとても強くぴったりとついてくれるのです。ただ“複合レジン”といってもいろいろ種類があるのでその中で優れた物をうまく使う必要性はあります。また、虫歯が大きすぎた場合は違う材質の白い物で歯を治す事になります。

当医院には銀の詰め物を白い詰め物に変えたいという方がよくこられます。また、新しく虫歯を治す際には白いものでしたいという方はいても銀でという方はいません。昔、前歯に金でしかもベンツのマークを歯につけたいという方にお会いした事はあります。しかし、私は今科学の進歩により、歯の色でしかも良い治療が出来るようになっている事をとてもうれしく思っています。アメリカでは11月23日はサンクスギビングデーで感謝をする日ということになっていますが私は歯科医療の進歩に対して感謝です。

 

 

 

 

 
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