炎症と歯周病 March 2007


歯周病が心臓血管疾患や糖尿病を悪化させるという事は今わかっています。また妊婦の方の低体重児早産の原因になるとも知られています。これは歯周病のばいきんと歯茎の炎症をおこしている炎症メディエーターが血管を通じて体中を回ってしまっている事が起こしていると考えられています。

炎症というのは私たちの体が有害な刺激を受けた時の防御反応で体が各種の炎症メディエーターを作り害のある所に送り出し防御して立ち直らせるというものです。しかし歯周病というのは大部分の場合症状がでてくるまで非常に長い年月がかかりそのため慢性化していてただただ炎症が長い間続く事が多い病気でもあります。歯と歯茎の間にばいきんが入って歯茎を侵す歯周病は歯と歯茎の間を掃除してきれいにする事が第一の治療また予防なのです。しかしそのままにしておくと歯を失くしてしまう恐れがあるだけでなく体中に悪影響を及ぼしかねないのです。

困った事に体のいろいろな病気の一括した原因が炎症にあるとわかりだしています。本来は体を守るための現象が多く起こりすぎ逆に体を痛めてしまっているのです。これは細菌やウィルスが原因の病気だけでなく花粉症(つまりアレルギー性鼻炎)や免疫異常(例えば関節リウマチ)など皆炎症が起こりすぎているという事が問題また問題を悪化しているのだと考えられています。しかも何が私たちに炎症を起こしやすくしているかというとこれは近代文明の食生活だと言われだしています。これはいろいろ加工された食品、また大量生産化により脂肪分が多くなってしまった肉類、そして非常に精錬された糖分に分解されやすくなっている炭水化物などが炎症メディエーターをたくさん作りやすくしてしまっているという事なのです。体内でおこっているいろいろな化学反応が解れば解るほどこの事が立証されだしています。

口の中の問題の歯周病も起こりすぎている炎症をおさえる事が清潔にしているという事にあわせて大事であります。誰もが知っての通り糖分は虫歯の素なのですがそれと共に炎症をしやすくしている原因の一つでもあるのです。

では解決法は何なのか? 食生活を変えるという事は簡単に言えます。野菜や果物を多くとりいろいろ加工された食物は避ける事です。糖分もやはりひかえないといけません。肉からは脂肪は避けてください。魚は良いはずだったのですが海の汚染がひどいためアメリカでは週に2回はとるべきだが妊婦とお子さんは気をつけて下さいといわれています。それと今の所養殖されたサーモンは避けてください。自然界のサーモンは良いのですが大量な養殖の際に通常にあたえていた餌が魚の体内に悪い脂肪を多くしてしまったからなのです。          

また、補強栄養剤としてビタミン剤や炎症を防ぐと考えられているオメガー3を服用するという事もできます。魚の油また海藻などからとれるオメガー3は日本人の方がアメリカ人よりは多くとっているはずなのですが食生活が西洋近代化されるにしたがってだんだん摂取量が少なくなり逆に良くない食材が増えてしまっているのでやはり栄養補強剤としてとっていただきたいものです。

口内の健康というのは体全体の健康にとても関係しています。ですから健康管理の大事な一部として歯と歯茎を大切にしてください。

 

 

 

 

 
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