歯と歯茎が痛くなってしまった時の応急処置 August 2007


虫歯による歯痛
起こって欲しくない事ですが虫歯を放置しておいて非常に大きくなりついに歯に激痛が来るという事は在りえる事です。この場合は鎮痛剤を飲み出来るだけ早く歯医者に来てください。またその場しのぎでどれだけ効くかはわかりませんがアメリカでは薬局でoil of cloves という物を求める事が出来ます。この液体はちょうじ油(クローブ油)でアロマセラピーにも使われていて独特の香りがするものですが、この油の中にはオイゲノール(Eugenol)という神経を麻痺させる成分が入っています。ですからこの液を痛い歯に綿棒で塗るか綿にしめらせて虫歯の穴にいれてください。日本で市販されている歯痛時に歯につける今治水にもちょうじ油が入っています。今治水(実際は新今治水)には他にもいくつかの神経を麻痺させる成分が入っていますが、名前の様に治す薬では無いのでやはり応急処置の物です。

日本ではもう一つ歯痛に使う薬がありそれは正露丸です。腹痛時の薬として一般化していますが昔から歯が虫歯で痛んでいる時にその箇所にそのまま詰める薬とされています。正露丸の主成分は木クレオソート(Wood Creosote)でこの薬は強い殺菌防腐剤で強く神経を麻痺させるものでもあります。非常に強く、長時間つけていれば細胞を殺す薬です。ですから正露丸を虫歯の穴に入れるのは自分で出来ることでは最後の手段だと思ってください。そしてやはりできるだけ早く歯医者にいらしてください。ちなみに正露丸の腹痛時の効果は過去には消化管内の殺菌作用によるものと思われていたのですが今はこのクレオソートが腸管の運動と水分分泌を抑制することによるものと考えられています。つまり神経を麻痺させ腸管運動がおこらなくなるので下痢が止まり、また神経を麻痺させる事により腹痛を感じなくさせていると言えます。よって正露丸は決して虫歯も胃腸も治しているのでは無いので本当に必要な時には服用してもいいかもしれませんが長期間に使う事は避けてください。

また、化膿して腫れている場合には抗生物質が必要になるのでやはり出来るだけ早くお電話下さい。通常腫れている場合、歯の根の周りまで侵されているのでクローブ油、今治水、正露丸などはもう効きません。

もうひとつ気をつけていただきたいのは他の飲み薬の鎮痛剤を痛い所に直接つけないようにという事です。特にアスピリン系のものは歯茎に直接つけてしまうとそこを酸性なのでやけどの様にいためてしまいます。

歯茎の炎症
痛みがくるもう一つの原因は歯茎への支障なのでこれについて少し書かせていただきます。歯茎の痛みは大部分歯周病からなのですが、この場合、家で出来る事の一つはぬるま湯に食塩を加えたもので1日4回ぐらい患部をすすぐという事です。塩水といってもコップ1杯に塩を小さじ1杯ぐらいでよいです。またぬるま湯とHydrogen Peroxide(オキシドール)を同量混ぜたもので患部をすすぐという方法もあります。Hydrogen Peroxide は薬局で求められます。両方とも消毒清浄作用があります。そして鎮痛剤を飲んでやはり出来るだけ早く歯医者に来て下さい。

親知らずが生えてくる時の痛みも歯茎の炎症が原因な事が多いので同じ様に塩水、またオキシドールを使ってみてください。

終わりに
何回も書いていますがやはり問題が生じた時には早めに歯医者にいらしてください。そして虫歯や歯槽膿漏に関しては悪化して非常に痛んでしまう前に6ヶ月ごとのチェックアップをしてその際に問題が小さいうちに治す事を本当にお勧めします。

 

 

 

 

 
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