質と量と需要と供給  January 2008


あけましておめでとうございます。皆さん年の初めをどうお過ごしでしょうか?

よく患者さんから日本と比べてアメリカは歯科技術が良いが治療費が高いと聞いていると言われる事があります。しかし実際はちょっと違います。そこで今回はこの日本とアメリカの歯科治療の違い、そしてそれに伴って私の歯科治療の方針を書かせていただきます。

当たり前の事ではあるのですが日本でもアメリカでも良い歯科技術は同じ様にあります。今の世の中では同じインフォメーションがどこでも得られ、歯科の世界でもドイツ、スイス、日本、アメリカといろいろな国で開発された技術や材料を私自身も使って治療をしています。

しかし、日本とアメリカには大きな違いが2つあります。1つは保険制度です。日本での歯科保険を使っての治療は安いのですが国の財政上限られた技術や材料でしか治療が認められていないためそれなりの事しかできないのです。そしてどうしても歯医者さんにとっては安い費用での治療なのでビジネスとしては量を多くしないといけないという立場におかれてしまっているのです。ですから日本で歯医者さんに行くと長く待ってしかし本当の治療時間は15分位で何回も通うという事を経験されている方も多いと思います。歯は人間の体の大切な一部でしかも治療はとても細かい作業なので時間を短くして量を多く治療するという事は歯医者さんにとっては質を良くする事が非常に難しいといえます。私は日本の歯医者さんはこの状況の中でがんばっていると皆さんに伝えています。また、日本では自費の治療にするかまたは保険を使っての治療にするかと歯医者さんに聞かれた方も多いと思います。日本での自費治療は保険治療よりも高額になるのですが質が良くなります。そしてこの自費の費用はアメリカで良い治療をする費用とほぼ同じになります。アメリカの歯科保険制度もそれなりに利点と欠点があるのですが日本との大きな違いはWelfare(所得が非常に少ない人達への福祉)以外は歯科治療と国の財政とのつながりが無いという事です。よってアメリカでは保険による治療内容の束縛は日本に比べるとずいぶん少ないのです。

日本とアメリカの違いのもう1つは一般の人たちの考え方にあります。アメリカはいろいろな人たちが集まって出来ている所ではあるのですが、その中である程度の普通の家族では一般的に子供の時から定期的に歯医者さんに歯のチェックとクリーニングに行き、歯の清潔さや歯並びをとても大事にするという文化をもっています。それに比べ、日本では良くはなって来ているのですが歯医者というのは問題があった時のみに行き、歯並びもとても気にするというのではなく、定期的な歯のチェックやクリーニングもまだまだ一般化してはいないと言えます。つまり、歯の健康や美しさへの関心度が違うといえます。よって残念ながらアメリカの方が日本よりも質の良い歯科治療の需要が大きいといえます。そこでアメリカの歯医者さんの歯科技術はそれなりに良くないといけないですし、その技術に伴った治療費がかかるわけです。

アメリカでも日本でもどの国でも歯医者さんはやはりピンからキリまでいろいろな方がいますので、本当に大事なのは歯医者さんがどれだけの技術を持っていてそしてどれだけ患者さんに良い治療をしようと心がけているかだと私は思います。日本での自費と保険の違いは使っている材料の違いと簡単に言ってしまう事は出来ます。しかしどんなに良い材料でも使い方が良くなければ意味が無いですし、逆にベストでは無い材料でも使い方を出来るだけ良くすればそれなりの治療は出来ます。本来は基本的な治療に最良の技術と材料が結びついて患者さんに最善な治療が出来るものではあります。誰でも歯の治療が必要であれば良い治療がしたいと考えていると思います。歯や歯茎の健康はとても大事ですし、美しい笑顔は皆に良い印象をあたえます。また歯の問題は最低限にしておきたいものです。私自身は上記の事を考え、皆さんに質の良い治療をする事を常に心がけています。

 

 

 

 

 
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