顎関節症 August 2008


今年の8月8日からはオリンピックです。各国からトップレベルの選手が現れるので私はテレビでオリンピックの中継を観るたび人間はこれだけすごいレベルに達する事ができると魅せられ感動してしまいます。きっとたくさんの人達が歯を喰いしばってがんばってここまで来たのだろうとその影の努力にも感動です。しかし歯を喰いしばりすぎる事は顎関節には良くないので今回は顎関節症について書かせていただきます。

顎の関節周辺に何らかの異常があり顎が痛い、顎が鳴る、口が開けづらい等の症状のある疾患の事を顎関節症と言います。20歳から30歳ぐらいにおこる事が多く、また女性におこる量のほうが多いというデータがあります。

顎の関節は左右のちょうど耳の前あたりにあります。そして下顎は前後左右上下に動ける様に出来ています。関節のある所の頭の骨のくぼみとそこに入っている下顎の骨の下顎頭の間には関節円板というクッションの役目をする組織があり口を開けたり閉じたりする時に圧力を吸収し顎がスムーズに動けるようにしています。

通常、口を開け閉めした時にカクカクと音がするという場合はこの関節円板が衰えていて変に伸びてしまっていたり動かなくなってしまっていたりしているため下顎頭がスムーズに動けないので音がすると考えられています。下顎頭の骨の形に異状がある場合はゴリゴリ、ジャリジャリと音がする場合もあります。ただ音がするだけで他に問題が無い場合は特に治療が必要ではありません。これはしかし問題が起こる可能性がある状態だと考えて下さい。また、口が少ししか開かなくなる場合は衰えた関節円板が今度は変に固まってしまい下顎頭が動くのを邪魔して起こるか、筋肉が硬直して起こります。通常、顎関節症で痛みがある場合は顎を動かした時に起こります。

顎関節症は関節にいろいろな負担が加わる中、この負担がここの組織の耐久限を超えてしまうと起こると考えられています。顎関節に負担をかける要因はいろいろあり、歯を喰いしばりすぎたり歯ぎしりをしすぎたりする事は原因になります。これには生活の中のいろいろなストレスが関係しています。またいつも右か左か片方だけで噛んでいるとそちらばかりに負担がかかります。うつ伏せで寝る癖があったり、頬杖をつく癖があったり、また長時間悪い姿勢で仕事をしていたりといろいろ顎の関節に負担をかける要因があります。噛み合せが悪くて変に顎関節に負担をかける事もあります。

よって顎関節症になってしまった場合、関節への負担を軽くして筋肉と関節組織をリラックスさせてあげる必要性があります。自ら歯を喰いしばらない様に気をつけて下さい。また温めてあげると筋肉の緊張や痛みがやわらぎますから温湿布をして下さい。急激な痛みがあった時のみ冷して下さい。マッサージは血行を良くしやはり痛みをやわらげます。そして関節や筋肉の痛みが少なくなってきて口も動かせるようでしたら少しずつ顎の運動をして下さい。軽く噛んだり、口を開けたり閉じたり、顎を横に動かしたりと少しずつしてください。

また顎関節と筋肉に負担をかけないように口にスプリントという歯を覆うプラスチックの様な物を入れて上下の歯が噛んでも完全にあたらないようにする治療法もあります。このスプリントは前歯も奥歯も覆う物と前歯だけにつける物とあります。少し上下の歯が開いた状態にすると関節への負担がかからなく、また噛むための筋肉もリラックスします。取り外しのきくものでどれだけの期間取り付けておくかはどれだけ顎関節症がひどいかによって決める事になります。また、もしも悪い噛み合わせが原因な場合には歯をちょっと削って調整するか歯列矯正をするという事もあります。手術は逆に関節を変にしてしまう恐れが高いので完全に最後の手段だと考えてください。

顎関節症の大部分は関節への負担を軽くすれば大丈夫なのである日口が少ししか開かなくなってしまっても気を落ち着かせて顎をリラックスさせてあげてください。そしてチェックまたアドバイスをして欲しいと思われましたらご連絡下さい。お助けします。

 

 

 

 

 
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