知覚過敏 November 2008


皆さんの中で冷たい物で歯がしみる、またちょっとの間しみていたがそのうちにしみなくなったなどという経験をされた方も多いと思います。通常虫歯が原因ではなく歯が冷たい物に、甘い物に、また触るとしみるという場合これを知覚過敏と呼びます。

歯のまわりはエナメル質という硬い層で覆われていて、歯はその中に象牙質、そしてその中に神経が入っています。エナメル質は冷たい物や熱い物でしみるのを防いでくれるのですが、象牙質はそうではありません。象牙質には実際は神経からたくさんの細い穴が歯の表面に向かって開いているのです。この象牙細官と呼ばれる多数の穴は電子顕微鏡でしか見えないのですが、よって象牙質に刺激をあたえるとこの穴を通じて神経にそれが伝わるのです。エナメル質も温度を通さないのではないので、エナメル質にひびが入っていたりエナメル質が薄くなっているとしみる事もあります。また、エナメル質は歯を全部覆っているのでは無く、歯根に近づくにつれ薄くなり歯根にはエナメル質はありません。つまりなにかしらの原因でエナメル質が削れて薄くなりまた象牙質が表に出てきてしまった場合、また歯茎が後退して歯根が表に出てきてしまった場合には歯がしみやすくなります。これは酸性の物をたくさん食べたり飲んだりする習慣や歯ぎしりをする習慣があるとおこりますし、歯槽膿漏で歯茎が下がってしまってもおこります。

しかし、ただ少し象牙質が現れているだけであればそこに細かくある穴を埋めてしまえばしみなくなります。唾液の中の成分だけで埋まる事はありますし、市販されている歯がしみるのをなくす歯磨き剤にはこの穴をうまく埋める事の出来る薬が配合されています。どちらの方法もすぐに完全に埋めるのではなくじょじょになので場合によっては2-3日、場合によっては1ヶ月でしみなくなったりします。アメリカでも日本でも歯がしみるのを防ぐための歯磨き剤が市販されています。いろいろなブランドがあるのですがアメリカで特に知られている物では“Sensodyne”という歯磨き剤があります。日本ではこれと同じ物が“シュミテクト”という名で市販されています。ですから、ちょっとしみているというだけであれば特別な歯磨き剤を毎日使っているといつのまにかしみなくなるという事があります。

ですが、やはりなぜ歯がしみているかにあわせて対応する必要性がありますから、歯医者さんでのチェックは本当におすすめします。非常に歯が削れてしまっていたり歯に大きな穴が開いてしまっている場合には治療が必要ですし、虫歯が原因で歯がしみているのであれば放っておくと悪化してしまいます。

また、歯の痛みには個人差が大きくあります。同じ口内の歯でも痛みの感じ方が違う事もあります。よって小さな虫歯でも歯がしみてしょうがないという場合はありますし、逆に人によっては虫歯で歯に大きな穴が開いていても痛くないという方もおられます。虫歯はじょじょに少しずつ歯を侵していくので非常に大きくなっていてもダメージがあまりにも少しずつなので痛みが出てこない場合もあります。 大きな痛みが来る時は極度に悪化している時でもあり、やはりそうなる前に歯医者さんでチェックと治療をする事をお勧めします。

 

 

 

 

 
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