歯の構造 February 2010


私たちの歯はとても良く出来ています。普段は気にしていませんが、歯には噛む時に非常に大きな力を加え、食事の際に出来る酸によりまた負担をかけます。2月はバレンタインデーがあり、“愛”の日と言えますが自分の歯も大事に愛していただきたいものです。今回はこのとても良く出来ている歯の構造について書かせていただきます。

ご存じだと思いますが、体の中で一番堅いものが歯の表面のエナメル質です。私たちが普通に歯として見るのはこのエナメル質で、この堅さは食べ物を噛み砕く事に役立ち、また、温度変化の刺激からも歯を守ります。通常2~3mm程度の厚さがあり、エナメル質には知覚がありません。よって、この層だけの虫歯であれば痛みもありません。

このエナメル質の中に象牙質があり、実際歯の大部分は象牙質で出来ています。この象牙質はエナメル質よりも柔らかく、硬質のゴムのように柔軟性があり、エナメル質だけでは堅いが割れてしまう可能性があるものをうまくささえています。象牙質の内側、つまり歯の一番奥に歯髄があり、ここに神経、血管、リンパ管が入っています。象牙質自身には神経は無いのですが、歯髄からは細かく象牙質の中に穴が歯の表面に向け通っていて、それが象牙質に知覚をもたらせます。もちろん象牙質に虫歯が達してしまうと、この穴がふさがっていない限り痛みを感じますし、また虫歯の進行も堅いエナメル質よりも速くなります。

そして、歯の根の部分にはエナメル質は無く、その代わりに象牙質の周りに薄くセメント質というものがあります。このセメント質からは細かく周りの骨に向かって歯根膜の繊維が出ていて、そうして骨と繋がっています。この歯根膜は歯に力が加わった時にクッションになってくれています。

よって私たちが食事をし、噛む時、エナメル質、象牙質、セメント質、歯根膜、歯周骨は一緒に働きとてもうまく噛んだ時の圧力から歯と骨を守り、しかもとてもうまく食物を噛み砕いてくれるのです。

しかも、エナメル質は確かに割れる可能性があるのですが、中の繊維がわざわざ波状にしかも均一性無くそしてたくさんの層になっている事によりエナメル質に力が加わった時その力がいろいろな方向へ別れてくれエナメル質へのダメージを減らせるように出来ています。そして、つい最近解った事なのですが、エナメル質には必ずミクロのひびがたくさん入っていて、このことがやはり歯に力が加わった時にその力をたくさんの方向へちらばせてくれてつまり簡単には一直線に割れないようになっているのです。

歯は単に堅い白い物が口内に並んでいるのではなく、知ろうとすればするほどとても良く出来ている事が解ってきます。しかし、みなさんもご存知のとおり、それでも歯、そしてその周りの組織、は虫歯と歯槽膿漏に犯されてしまいます。これはつまりバイ菌もまたすごい生物だという事なのですが、このバイ菌から歯を守るために毎日歯を磨き、フロスをし、歯医者さんでのクリーニングもし、歯を大事にしていただけるとやはり歯も長くもってくれます。実際歯は私たちの普段の食生活や歯磨きがすぐれていなくてもある程度は大丈夫であってくれます。しかしやはり何でもそうですが、大事にしてあげればもっともっと良く保ってくれます。みなさん、自分の歯をやはり“愛”をもって大事にして下さい。

 

 

 

 

 
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