口内用プロバイオティックス May 2010


今回は虫歯と歯槽膿漏の予防に役立つ口内用プロバイオティックスについて書かせていただきます。アメリカではつい最近に販売され出したもので日本では今のところ通信販売のみで手に入るようです。プロバイオティックスとは人体に良い影響をあたえる微生物の事で乳酸菌やビフィズス菌に代表される腸の働きを良くする善玉菌の事を主にあらわします。腸内では善玉菌が多く悪玉菌(大腸菌やブドウ球菌)が少なければ健康に良いという事をみなさんもご存知だと思います。腸内のバクテリアと口内のバクテリアは完全に違うものなのですが、このプロバイオティックスを使う事は口内のばい菌についてもあてはめられるのではないかという考えは長い間ありました。ずっと研究内の事柄にすぎなかったのですが、ついに口内用プロバイオティックスが製品化されるまでにいたりました。

前にニュースレターで書いた事がありますが、口内にはたくさん(だいたい700位)のバクテリアの種類が存在していて、その中でもしも虫歯そして歯槽膿漏の素になる菌が多く口内に住んでいた場合、虫歯また歯槽膿漏になりやすいのです。しかもこのばいきんは赤ちゃんの時に近くにいる誰かから口内に移され、一度住み着くとだいたい一生ばいきんの種類は同じに保たれてしまうのです。ですから、人によっては歯をぜんぜん磨かないのに虫歯にならず、また人によっては歯を良く磨いているのにかんたんに虫歯が出来てしまうという不公平な事が起こるのです。この中でみなさんに気をつけていただきたいのは虫歯の菌と歯槽膿漏の菌は種類が違うという事です。よって私は虫歯にならないから虫歯菌は口内に無いと歯磨きを怠っていると歳をとってから歯槽膿漏が進行してしまっていて歯をなくしてしまうという事が起こり得ます。やはり誰にも毎日の歯磨きとフロスは得はあっても損はありません。

しかし、もしもこの虫歯や歯槽膿漏にしてしまう悪玉菌を口内で問題を起こさないつまり善玉菌とすり替える事が出来ればとてもすぐれた予防になります。つまり、人間の口内に住むバクテリアの中で歯と歯茎に害をあたえず、しかも虫歯と歯槽膿漏の菌といっしょにするとこの悪い菌たちの数を減らし自らは数を増すという善玉菌が存在すればよいわけです。虫歯が出来ない人、また歯槽膿漏にならない人は実存するので研究者たちはこの人たちの口内のバクテリアを摂取し皆調べまた虫歯菌と歯槽膿漏菌も摂取し皆調べました。そして善玉菌になり得る菌と悪い菌をいろいろ合わせてどう反応していくかを調べたのです。実際この研究は25年以上続いているのですが、ついにいくつかの善玉菌が発見され、今なめる錠剤のトローチに配合され出来上がったのです。

今現在4つぐらいの会社が錠剤を製品化していて、皆少しずつ違うのですが、その中のひとつを紹介します。Evoraplusという製品は普通に薬局で求められるので探して使ってみるか私どもに尋ねてみてください。なめる錠剤になっていて3種類の良質バクテリアが配合されています。この3つの中の2種類は歯槽膿漏菌そして1種類は虫歯菌と対抗します。この2種類の方は歯槽膿漏のバクテリアを減らすことをするので口臭予防にもなります。そしてこの良質バクテリアたちはHydrogen Peroxideを常に作って歯槽膿漏菌を退治し、このHydrogen Peroxideは実は歯の漂白に使われていて、よってプラスとして歯も白くなり得ます。また、もう1種類の虫歯菌(ミュータンス菌)と対抗する良質菌はこの虫歯菌を退治する抗生物質に近い物を作りしかもミュータンス菌のように酸をたくさん作り歯を溶かす事をしません。使い方は簡単で、朝晩歯を磨いた後に錠剤を口に入れトローチのようになめて溶かせば良いのです。もちろん、そのあとには殺菌作用のあるリンスなどは使わないでください。歯を磨いた後であれば悪玉菌を出来るだけ取り除いてからそこに善玉菌をつける事になるのでとても効果があります。この口内用プロバイオティックスは毎日使っていれば1ヶ月ぐらいで口内のばい菌の種類は良質のものが悪質のものに上回ってくれます。

しかし、前にも書きましたが、口内のばい菌の種類は1度ばい菌が住み着いてしまうとだいたい一生そのまま変わらないという事に関連するのですが、口内用プロバイオティックスは使うのを止めてしまうとまたばい菌の種類は元の口内のものにだんだん戻っていってしまうという弱点があります。また、口内の環境が虫歯菌や歯槽膿漏菌にとても居心地が良い状態であればプロバイオティックスは効きずらくなります。やはり糖分は虫歯菌にとっては良い餌でありますし、血糖値が高ければ炎症を起こしやすいので歯槽膿漏にもなりやすくなります。そしてバクテリアはいつも繁殖するものなので虫歯菌と歯槽膿漏菌を取り除くためにやはり毎日の歯磨きとフロスは欠かせません。良質の菌も一緒に取り除いてしまうのではと思われるかもしれませんが、悪質の菌も取り除きそこに良質の菌を錠剤で加えるので引き算と足し算で最良の方にしていくことになります。

新しいものはそれなりに本当の効果がどれだけあるかはわかり得ないところがありますが、この口内用プロバイオティックスはどういうものでなんで効果があるかがとても理にかなっているので特に虫歯や歯槽膿漏に悩まされている方にはお勧めします。

 

 

 

 

 
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