リラックスしましょう（歯ぎしりと歯の食いしばり２）　July 2018

以前、歯ぎしりと歯の食いしばりについて書いています。よろしければ、歯ぎしりと歯の食いしばり May 2012　を当医院のホームページでお読みください。歯ぎしりは起きている間にもしますが、寝ている時には起きている時以上の力でしてしまう可能性が大きいものです。これは、寝ている時は体が力ぐあいを抑える判断を失くすからです。ところが、こういう無意識のうちにしてしまう行動は簡単には止める事が出来ません。しかし、毎日、しかも何年も続けてしてしまうと歯や顎に問題をおこします。そこで、今回は歯ぎしりと歯の食いしばりの対応について前の記事と少し違う角度から書きます。

歯ぎしりや歯の食いしばりを長い間、何年も続けてしまうと起こってくる症状がいくつかあります。頭痛、顎の関節、筋肉、筋の痛みが起こり、また、筋肉が硬直し、口を大きく開けられなくなってしまう事もあります。そして歯はだんだん削られてしまいます。多く削れてしまった箇所は冷たいものや温かいものが沁みるようになります。また、歯にひびが入っていき、ある地点では完全に割れてしまう事もあります。しかも歯茎にも負担がかかり、歯茎が下がっていきます。もちろん、みなさん歯ぎしりの度合いは違いますが、人によっては歯ぎしりがとてもひどく、音が回りの人にうるさく聞こえてしまう場合もあります。この音はしかし歯の食いしばりをしている場合にはあまり無いので、音だけで問題があるか無いかを判断してはいけません。

いろいろな問題が起こってしまう可能性があるのですが、自分で歯ぎしりや歯の食いしばりを特に夜寝ている時にしないようにするために出来る事がいくつかあります。簡単に、歯ぎしりや歯の食いしばりはストレスが大きな原因になっているので、普通にストレス解消に繋がる行動をすることは良いのです。運動、瞑想、またハーブティーを飲んでリラックスするなどいろいろ試して下さい。簡単に規則的に毎日寝る時間と起きる時間をきちんと決めているだけでも良いのです。もちろん、良く笑う事もストレス解消になります。夜寝る前のアルコールは実際は良い睡眠をとらせてくれないので、歯ぎしりをもっとするようにしてしまう危険性があります。また、起きている時でも、もしストレスがあると鉛筆とかペンなどを噛んでしまう癖がありましたらそれは気にしてやめるように心がけて下さい。もちろん、起きている間に意味無く歯ぎしりや歯の食いしばりをしているのに気づきましたらそれはやめて口をリラックスさせて下さい。

夜寝る前に出来るリラックスする方法は他にもいろいろあります。首、肩、顔をマッサージして気を楽にして寝る事が出来ます。また、おしぼりのようにタオルを温めて顔にあてる事も出来ます。静かな音楽やホワイトノイズを聞きながら眠りにつくのもよいでしょう。しかし、テレビ、コンピューター、スマホなどは寝るすぐ前に見ていると光の関係で眠りにくくするので、出来れば避けて下さい。

もちろん、歯医者が出来る事はあります。これは前にも書いていますが、夜寝る時に歯の噛み合う部分に取り付けるマウスピース（ナイトガード）をつくってさしあげられます。その方の歯型に合わせて作るので、歯にピッタリつけられます。歯の噛み合うところを覆うので、歯へのダメージを防ぎます。また、私たちの体は口内に何か硬いものが入っていると感じると、きつく噛まないようにしようとしてくれます。つまり、マウスピースを装着している事自体が歯ぎしりや歯の食いしばりを止めてくれるのです。ただ、10%から15%の方は口内のマウスピースになれてしまい歯ぎしりや歯の食いしばりをすることを再開させてしまう事も解っています。しかし、確率は少ないですし、しかも誰でも歯へのダメージを防ぐ事になるので、お勧めします。もちろん、人によってはどうしても口内に何か入っていると寝られないという方もおられるので、それは解ります。一応、慣れる事ができるものではあるので、試される事は良いと思います。また、もし歯ぎしりの理由が歯の噛み合わせにあるのであれば、小さい事であれば歯を治す、また歯を少し削るなどで良くできる場合があります。もちろん、歯医者でできる事はお知らせ頂ければ対応します。

みなさん、歯を大切にして下さい。良く噛めるという事は食をおいしくし、体の健康にとても貢献します。いつも書いていますが、毎日歯磨きとフロスを良くし、歯医者さんでの定期検診とクリーニングもして下さい。定期検診とクリーニングは６か月ごと、また歯槽膿漏になった事があれば３か月ごとをお勧めします。もちろん、定期検診、クリーニング、また治療のためにはお電話ください。