インプラント治療の種類と注意事項 September 2018 今現在、だいたいの方はインプラント治療は何かとは解っておられると思います。歯を失ってしまった際、その箇所にチタンで出来た根を入れその上に歯の形のものを着け歯のようにする治療です。前にインプラントについては何回か書いていますので、詳しく知りたいと思われましたらホームページにいって読んで下さい。インプラント Summer 2005-3 そして インプラントのメリットとデメリット April 2014 と2つインプラントそのものについての記事があります。また、入れ歯 July 2012 の中でもインプラントについて触れています。歯が無い方には簡単にインプラントはお勧めできます。しかし、気を使ってきちんと治療をして、しかもその後の手入れもよくする必要性があります。そこで、今回はインプラント治療に対する注意事項をいくつか書かせていただきます。また、治療の種類も関係するので、記載します。 まず当たり前すぎる事のようですが、インプラントを入れる先生は信用できる良い治療をする方にしてください。このアメリカでも法律上は歯科医のライセンスがあれば誰でもインプラントはして良い事になっています。日本でも同じようです。従って、どの歯医者も経験や能力に関係なくする事が出来てしまいます。インプラントを骨に埋める作業はただ簡単に骨に穴を開けてそこに入れるだけと言えばそうなのですが、骨の状態、また骨の中の神経の位置、そして手術ですので消毒が成り立っているかどうかなどとても気を使ってするべきものなのです。私自身はインプラントを骨に埋めることは信頼できるスペシャリストの方にしていただき、そしてその上につける歯の形のものは私が担当して治療をしています。チームワークでしていて、このインプラントの上につけるクラウンや入れ歯も種類がいろいろあるので、プランをたて、設計図のようなものを考えこれも気を使ってしています。 インプラントの治療といっても個々の人の口内の状態によっていろいろあります。一本の歯であればインプラントに歯の形のクラウンをつける事になりますが、無い歯が多ければインプラントを使ったブリッジというもの、また完全に歯が無ければ入れ歯の下に最低2本はインプラントを骨に入れてそれにスナップボタンのようにはめるようにするという事も出来ます。 ちなみに総入れ歯は実際は歯茎の上に乗っかっているだけですので、どうしても噛む力は歯がある時の3分の2ぐらいになってしまうのですが、インプラントを入れる事によって噛む力は歯と同じかまたは90%ぐらいの力にまではなるので、インプラントの治療はお勧めします。 また、前歯の治療などは審美的に歯茎との関係がとても大事になるので、これも考えて治療をしています。 インプラントの実際の部品についても書きます。インプラントは骨に埋める部品があり、そしてその上につける部品があります。通常そしてその上に歯の形のものを作ってつける事になります。この部品は昔は製造している会社は数少なく、今となっては歯医者であれば誰でも知っているブランドになっている会社がいくつかあります。ところが、現在はたくさんの会社がインプラントの部品を作っていてしかも値段を下げて販売しています。従って、今はインプラント自身も値段が高いものから安いものまでいろいろあります。しかも良く知られているブランドのインプラントであるとその上につける部品を真似て作ってやすく売る会社もあります。 困った事にあまりにも安い部品であるとどこまで信頼性があるかがわかりません。もちろん、安くインプラント治療をする先生は安い部品を使ってしているわけです。ところが、ブランドのある会社はインプラントの部品も前よりも構造がよいものや骨との繋がりの良いものにしていて、つまり良いものだが、値段はそれなりにするものにしています。私はインプラントは体に入れるものなので、良い部品で良いスペシャリストにしていただいてするようにしています。もちろん、それなりに費用はかかりますが、安くても問題があってはする意味がありません。 もうひとつ気にしていただきたい事が、インプラントに起こる歯槽膿漏です。インプラントは虫歯にはならないが、歯槽膿漏にはなります。従って、歯ブラシ、フロス、またウォーターピックなどで毎日良く掃除をして下さい。もちろん、歯医者での定期検診とクリーニングも欠かさないで下さい。歯を最初に失くした理由が歯槽膿漏であった場合、インプラントも歯槽膿漏にならないように特に気をつけてください。インプラントには歯槽膿漏になってしまうと普通の歯よりも治り難いという弱点があります。人工のものと自然のものの違いなのです。今のところだいたい10年のうちにインプラントの10%は歯槽膿漏になるというデータがあります。 もちろん、インプラントはとても良い治療なので、私は歯が無い方であれば、簡単にベストな治療だとお勧めします。ただそれ以前に、歯を失くさないようにする事は本当に大事ですので、毎日歯磨きとフロスをして、歯医者での定期検診とクリーニングも是非して下さい。インプラント治療、また検診、クリーニング、そして虫歯、歯槽膿漏の治療のためにはお電話下さい。
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