感染予防 April 2020

この特殊な状況の中、皆さんが安全であることを願います。カリフォルニア州で外出規制令がだされたのが3月19日です。また、California Dental Association は3月16日には患者さんを診るのは避けるようにと指示し、その時は2週間は避けてくださいという事だったのですが、この3月19日以降にはいつまでとはわからないが、当分の間は患者さんを診ないようにと指示しています。一応、放っておけば命にかかわる緊急な時だけ診るようにという指示になっています。もちろん、出来るだけこのコロナウイルスの感染を少なくするために皆協力しましょうという事です。従って、可能性としては、当分の間は私どもの医院は診療しませんが、緊急に必要な場合は私の携帯 (949) 307-5159にお電話ください。もちろん、ホームページ上のお問い合わせも出来ます。

ところで、今回はコロナウイルスについて書くべきかちょっと迷いました。というのも、あまりにもテレビのニュースやオンラインの記事にコロナウイルス関連のものが多いので、全然違う事についての方がみなさんにとって面白いかもと思ったのです。しかし、感染拡大をできるだけ避けるためには、やはりもしもう知っている事だとしてもみなさんに強調することは正しいと思いました。そこで、このコロナウイルス感染予防対策について今回は書きます。

まず、第一にもう誰もがするようにと勧めている手を良く洗う事について書きます。石鹸水はコロナウイルスを破壊します。もし手にコロナウイルスがついていたとしても、石鹸で手を洗っている際、まずウイルスは破壊され、次にこなごなになったウイルスは石鹸の分子に囲まれて水で流されます。コロナウイルスの構造と石鹸の化学を知っていれば、当然に起こる事だと解る事で、具体的にはウイルスを囲んでいる膜を石鹸はこなごなにしウイルスの中身は外に出てしまい、ウイルスは抹殺されると言えます。従って、良く手を石鹸水で洗う事はとても優れた感染予防なのです。しかも、つまり食器を洗ったり、洗濯をしたり、シャワーを浴びるという事もみな同じにコロナウイルスを破壊する作業なのです。全部の種類のウイルスに起こる事では無いのですが、コロナウイルスは石鹸に弱く、しかも普通の石鹸で良いのです。私たちの皮膚は感染から私たちを守ってくれるので、手についたら病気になるのではありません。感染が起こるためには手にウイルスがついていて、この手で目、鼻、または口を触ってしまう必要性があります。ただ、私たちはいつもいろいろなものを触っています。そして、大部分は無意識のうちに私たちは顔を多く触ります。実際は2分から5分おきには手が顔を触っていると考えられています。もちろん顔を、というか目、鼻、口を触らないように気をつけるべきなのですが、それと共にドアの取っ手のようにたくさんの人が触るところは特に掃除と消毒を良くする事が大事です。そして、もし手を洗う事ができなければ、消毒液で手を消毒する事が大事なのです。アルコールが60%以上の消毒液を使ってください。そして、手を洗う時、大切なのは石鹸水をまんべんなく手全体どこもかしこもつける事です。この作業には20秒はかかるので、それでハピーバースデーの曲を2回歌う間して下さいと良く言われます。そして、水で濯ぎ流してください。

もちろん、みなさんももう知っていると思いますが、もう一つ大事なのが、他人との間を6フィート(2メートル)あける事です。これはくしゃみ、せき、どなる、歌う、大きく息をはくなどした時に飛び出す唾液の水滴が届く範囲が長くても5フィートぐらいだからなのです。一番の感染の経路は他人の口内から出た唾液の水滴を口、鼻から吸い入れてしまった時と考えられています。一応、目からもウイルスは侵入するのですが、目に直接ウイルス入りの唾液が当たるのは難しいです。今のところ感染の大部分は唾液の大きな水滴からと考えられています。まだはっきりとはわかっていないのですが、せきやまた話をする際に飛び出る唾液には微粒子があり、この微粒子は軽いので換気が良くない部屋では空気中に長く漂ってしまい、これがもうひとつの感染経路なのかもしれません。ただ、換気が良いと簡単に軽い微粒子は飛んでいってしまい、また微粒子という事はその中のウイルスの数も少なく、どれだけ感染させる事ができるのかは不明です。他人との間を6フィートあけるという事とつながり、日本では良く言われている事が、密閉空間で、密集していて、密接していることが重なったところは避ける事です。

マスクに関しては、少しは予防になるという考えがあっていると思います。せきをしている人は唾液が飛び散るのを防ぐので、マスクをするようにとアメリカでも日本でも勧められています。もちろん健康な人がマスクをしていて、もし目の前で誰かがせきをした場合、唾液の大きな粒はマスクの表面についたとしてもすぐには吸い込まれません。つまりこの場合ある程度予防になります。ただ、みなさんもご存知かと思うのですが、N95マスクかそれ以上に特殊なマスクでない限り、マスクをしていてもコロナウイルスは息をしていて吸い込む事が出来ます。コロナウイルスに感染している患者さんを診ているお医者さんや看護婦の方たちはN95マスクをしています。N95マスクが不足していてしょうがない場合には他のマスクをしていて、でもこの場合感染する危険性があります。医療用N95は特別なマスクで普通に市販されているマスクにはN95までの防御力はありません。また、マスクをしていてもマスクの中に手を入れて口や鼻を触ってしまったり、マスクの内側を手で触ってしまうといけません。もちろん、逆にマスクをしている事によって鼻や口を触らないように出来るとも言えます。つまり、少しは予防になります。しかし、マスクをしているから安全とも思わないでください。やはり、人との距離を開ける、また手を良く洗うという事をして下さい。

このコロナウイルスのパンデミックの行き先ははっきりと見えませんが、皆さん感染予防を自分でできる事はしてください。今のところいつ医院を普通に再開できるかわからないのですが、みなさんこういう時ももちろん歯を良く磨きフロスもして歯の健康を守ってください。


記事への追加
通常オリジナルの記事は郵便で送り、その1週間後にホームページに載せています。このオリジナルの記事が送られて数日後から、アメリカでは皆に外出時にはマスク(というか顔を覆うもの)をするように勧めています。ただ話しているだけでも唾液が少しは飛び散る可能性があり、しかも症状が無い人でも感染している可能性があるからです。感染している人がマスクをしていれば、ある程度はマスクをしている人の唾液が飛び散る事を防ぎ、つまり他の人たちに感染させにくくします。つまり、他人へうつさないためにマスクをして下さいという事です。マスクと言っても単に口と鼻を覆えるものであれば何でも良く、医療現場で不足しているマスクでは無く自分たちで作ったものにしてくださいという事です。

 

 

 

 

 
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