グッドバイ歯周病 April 2021

4月の記事は何を書こうかと思い、グーグルで検索していたら日本に今ある歯の記念日のリストがでてきました。4月には4月18日が “良い歯” の語呂合わせで良い歯の日と日本歯科医師会が制定した日とありました。日本的で面白いと思いました。それと共に4月4日は歯周病予防デーとなっており、これも4(歯周病)と4(予防)の語呂合わせでした。この4月4日を制定したグループが “Goodbye Perio プロジェクト” となっていました。どういう団体なのだろうとまた検索してみたら、このグループは日本の歯科衛生士さんたちの団体で、歯周病予防法の普及活動を行っていて、特にデンタルフロスを使った予防法を歯科医院内だけでなく、外で多くの方たちに伝える事が目的と書いてありました。とても良い事をしている団体だと思ったのですが、それと共にこういう団体が今の日本では必要であるという事に少し驚きました。そして発足したのが2012年1月となっていました。うーん。私のようにアメリカに長く住んでいて(49年間)、毎日のフロスは当たり前と随分前から知っていて、しかも日本ではフロスをする文化が無かった事も知っていたのにもかかわらず、2012年にこのようなグループが発足というのはとても良い事なのですが、少しびっくりでもありました。そこで、何回もというか毎月このニュースレターに毎日フロスをして下さいと書いていますが、今回はこのグループの紹介と、そして復習でもありますが良い復習として、フロスをする事を含めて歯と歯茎を日々きれいにしている事の重要性について書きます。

まずこの団体の名前にはGoodbye(さようなら) Perio(Periodontitisつまり歯周病)プロジェクトと歯周病をなくすという意味があります。一応、PerioがPeriodontitisを短くしたものなので、少しわかりにくいのですが、日本的にもっと短くして “グッペリ” と呼ばれているともグループのブログに書いてありました。また、私は本当なのかとちょっと迷った事がブログに書いてあって、それは日本人の歯科医院メインテナンス率はわずか2%という事でした。検索してみると、2016年の日本の厚生労働省の調べでは歯科検診を受けた者の率は52.9%となっていましたが、これはどんな検診も入ってしまい、またクリーニングをしたか否かはわからない数字でした。ただ、この厚生労働省の調べでは日本人の成人の80%は歯周病にかかっていると書いてありました。つまり、この団体の方たちがされている事はとてもとても必要だし良い事と言えてしまいます。

このプロジェクトの目的が書いてある中に歯肉炎の状態であれば健康な歯茎に戻す事が出来るという情報をたくさんの人たちに伝えるとありました。歯肉炎(gingivitis)は歯茎が侵されていく中の本当に初期の状態を表します。これが進行すると歯周炎(periodontitis)と呼ばれます。 確かに本当に初期の状態であれば、歯茎は侵されても歯医者でのクリーニングと自分での毎日の良い歯磨きとフロスでまた元の健康な状態に戻す事が出来ます。ただ、これは初期のみなのです。ちょっと進行してしまうと、もうダメージはそのまま残り、ただそれ以上悪くしないようにしか対応出来ません。つまり、毎日歯磨きとフロスを良くして出来るだけこの初期の状態を超えない用にすることが優れた歯周病予防なのです。もちろん現実的には歯肉炎を超えてしまう事は多くありますが、それでも歯磨きとフロス、また歯医者さんでのクリーニングを定期的にしていれば、それだけダメージは少なくで抑えられます。歯周病は歯と歯茎の間にばい菌が住みこんでしまい起こります。従って、簡単に予防も治療もこの歯と歯茎の間をきれいにするということが基本なのです。

通常歯と歯茎の間には必ず隙間があります。3mmの深さは普通です。ただ、この深さが4mmになるとぎりぎりの状態になります。これはフロスでも歯ブラシでも4mmの深さを超えたところは大部分届かなくなるからです。この深さだけが歯肉炎と歯周炎の境目の目安では無いのですが、4mmにとどまらせておく事はとても大事です。何回言っても良いと思うのですが、ばい菌たちは粘々したものを作り、歯の表面、また歯と歯茎の間にいつもくっついていきます。この粘々したものは物理的にとる必要性があります。従って、毎日の歯ブラシとフロスが大事なのです。

歯周病は放っておくとまず歯と歯茎の間の隙間を広めていきます。そして、今度は歯周骨を失くさせていきます。最終的には歯はぐらぐらして抜けてしまいます。痛みは大体なく、ただただ長い年月をたててダメージを与えます。しかも、ずっと慢性的に歯茎を炎症させた状態にし、体中にこの炎症物質は血流を通して回ります。この事は体中で問題を起こしやすくし、また問題があればそれを悪くしやすくします。従って、軽視してはいけません。

毎日朝晩と2回は歯磨きをして、そして1回はフロスをして下さい。フロスは1回だけでなく2回でも3回でもそのほうが良いです。フロスをする際には歯と歯の間に入れて、そして歯と歯茎の中にも入るところまで入れて下さい。押し込むのではなく、緩やかに、入るところまでとしてください。歯と歯の間にフロスをいれたら、片っ方の歯と歯茎の間にフロスを入れそしてその歯の端をフロスでえぐって下さい。そして同じ歯と歯の間の今度はもう片っぽうの歯と歯茎の間にいれ、そしてその歯の側面をえぐってください。もちろん、歯磨きもしていただきたいので、歯磨きは歯ブラシを歯茎に45度にして当てて、使ってください。そして、定期的に歯医者での検診とクリーニングをしてください。6ヵ月ごとは普通ですが、歯周病にかかってしまったことがある方は3ヵ月ごとがおすすめです。

歯周病よさようならとまでする事は簡単ではありませんが、出来るだけ歯と歯茎の状態を良くする事はとても大事です。みなさん、がんばって毎日良く歯磨きとフロスをして、そして定期的に歯医者さんで検診とクリーニングをしてください。もちろん、定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。

   

 

 

 

 
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