お母さんの歯の健康 May 2021

5月9日は母の日です。お母さんのしてくれた事、そしてしてくれている事はとてもありがたいです。本当に感謝です。もちろん、お父さんもありがたいですが、今回は母の日にちなんで、お母さんの歯の健康について書きます。と言っても、お母さん業はとても大変であって重要でもあり、その中での歯の管理は簡単だとは言えません。理想論だと思われるかもしれませんが、家族皆支えあってください。

まず、妊娠性歯肉炎について書きます。女性の方はホルモンの分泌の関係から妊娠すると歯茎の炎症が起こりやすくなります。従って、妊娠中、またその後数か月は歯茎が赤くなり、腫れる場合があります。普段から健康な歯茎であれば、この時だけ、歯磨きなどで歯茎から血が出やすいという事があるかもしれません。ただ、この一時期の事です。しかし、逆に、もし歯と歯茎の手入れを怠っていたり、また始めから歯周病にかかってしまっていたら、歯茎の状態はとても悪化します。しかも、妊婦さんが歯周病になっていると、早産してしまう可能性が高まります。出産を促すために、出産の際には体がプロストグランジンという物質を多く分泌するのですが、歯周病にかかっているとそのことが妊娠と関係なくこのプロストグランジンを分泌させてしまうのです。つまり、この物質が多すぎて普通より早く出産をしてしまう可能性が高まるのです。従って、女性の方はお子さんを授かる前から、そしてその後も本当に歯と歯茎の手入れを良くしてください。

あらまあと思われるかも知れませんが、しかも出産後、お母さんの歯が虫歯だらけであると子供の歯が虫歯になる可能性はそうでないお母さんの子の3倍なのです。虫歯菌は生まれた後に誰かから赤ちゃんの口内に感染するのですが、これがお母さんの口から起こる可能性が大きいからです。口内にはいろいろなばい菌たちが住み着くのですが、その中で虫歯菌が多く住み着く事と虫歯にしない菌が多く住み着く事があり、ただ、いったんあるばい菌たちが住み着くとだいたい一生そのまま同じタイプのばい菌たちが口内に残るのです。つまり、もし赤ちゃんの時に口内に入ってきた菌が虫歯菌ではないものの方が多いとだいたい一生虫歯にはなりにくいのです。従って、出産以前から歯の手入れは良くしていただきたいのですが、その後も子育てが大変でもお母さんがいつも歯を良く磨き、フロスもするという事はとても大事なのです。キシリトールガムを食後には噛むという事は口内の虫歯菌を減らす事に繋がるので、お勧めできます。子供が生まれた後は睡眠不足になる可能性は大きいですが、それでもがんばって歯磨きとフロスを朝晩と良くしてください。もちろん、出産以前から虫歯は治しておくと虫歯菌の量が減るので、とても理に通っています。また、もし虫歯菌を自分が口内に持っていると思われましたら、赤ちゃんに食事を上げる際、その食物が熱くないようにそれに息を吹きかけて冷ましてから上げるという事は避けてください。虫歯菌を食べ物につけて赤ちゃんにわたしてしまう事になるからです。

妊娠時の事に少し戻りますが、妊娠の際につわりで吐いてしまうと胃酸が歯についてしまい歯にダメージを与えます。出来れば、吐いた後に水で口内を濯ぐだけでもとてもこのダメージを少なくします。もちろん、毎日の歯磨きとフロスも出来るだけ怠らないでください。

今は大部分の方はご存知だと思いますが、妊娠すると歯からカルシウムがとられるという事はありません。カルシウムは骨からとられる事はあっても歯からという考えには無理があります。しかし、骨は大事ですので、カルシウム、そしてそれと共にマグネシウムも良く摂れる食事をしてください。カルシウムとマグネシウムはいろいろな体内の機能にいっしょに働きます。お魚やほうれん草といろいろな食物からカルシウムは摂れます。また、アボカドやナッツなどからはマグネシウムが摂れます。もちろん、サプリメントで摂る事もできます。ビタミンDはカルシウムを体がとりいれる事を助けるので、サプリで摂る事はとても良いです。もちろん、歳をとってからは閉経による体への変化があり、その際はホルモンの関係で骨は弱まりやすくなります。この際もカルシウムとマグネシウムを含む食事はとても役立つので、食生活をいつまでも大事にしてください。歯は顎の骨に支えられているので、顎骨が丈夫な事は歯にもとても良いのです。

女性の方は妊娠の際にホルモンの関係で歯茎が炎症を起こしやすくなると書きましたが、この事は避妊薬を使用している場合、また場合によっては月ごとに起こりやすくなる場合もあります。従って、これらの事を気にかけて、良く毎日歯磨きとフロスをしてください。

もちろん、男性の方にも虫歯は出来ますし、男性の方も歯周病にかかります。また、お母さんだけでなく女性だれでもやはり虫歯、歯周病になり得ます。従って、みなさん誰も歯と歯茎の手入れを良くしてください。歯の健康のためであり、体の健康のためでもあります。毎日、朝晩と歯みがきとフロスをし、そして歯医者さんでの定期検診とクリーニングもしてください。定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。

       

 

 

 

 
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