頼朝、糖尿病、歯槽膿漏、そしてコロナウイルス February 2022  

ハッピーバレンタインデー。みなさん、自分の歯を愛情こめて大切にして下さい。今回は旬の事柄として、今年のNHK大河ドラマに出てきている源頼朝と未だに私たちの生活に影響を及ぼしているコロナウイルスを繋げます。えー、先生何を考えているのだと思われるかもしれませんが、もちろん、口内の健康について書きます。

では、まず頼朝の死についてです。源頼朝の死に関しては4つの記載されたいずれも短い文があります。一つは義経と安徳天皇の亡霊を見て、気を病んで寝込み、亡くなったというものです。もう一つは1199年1月13日におそらく急死したというもの、もう一つは、死ぬだいたい2週間前に落馬したというもの、そして、4つめは重い飲水の病により亡くなったという噂を聞いたというものです。4つ違う書物に記載されています。(他にも書物があるのかもしれませんが、これ全然私の専門分野ではないので、それはご了承ください。)もちろんインフォメーションがこれだけしかないという事はいろいろな死因の説が考えられるという事で、その中には脳卒中説や暗殺説があります。しかし、もう一つの説がこの飲水の病によるという事と関係します。日本歯科医師会が作った一般の方のためのホームページにこの説が載っています。飲水の病とは糖尿病の事です。平安時代には糖尿病にかかる貴族が多く、糖尿病の症状であり得る事の一つが良く水を飲みたがるという事から、当時は”飲水の病“と呼ばれていたのです。でも普通は糖尿病で急死はないのではないかと考えられます。しかし、糖尿病をもっていただけでなく、脳卒中により、または気を病んで、落馬してしまい、体が衰えていた中、水を多く欲し水を誤嚥してしまったという可能性はあります。誤嚥(ごえん)とは食物や水分を間違えて気管に入れてしまう事で、高齢の方、または脳梗塞の後遺症のある方などに起こり得る事です。そして、もしその際に口内が清潔で無く、ばい菌がずいぶんあり、そのばい菌が気管から肺までいってしまうと誤嚥性肺炎がおこってしまいます。誤嚥性肺炎で死んでしまう事はあり、飲水の病が原因といううわさがあったという記載と繋げる事が出来ます。つまり、頼朝は口内の手入れが良く出来てなく、誤嚥性肺炎により死んでしまったという説があるのです。もちろんこれ作りすぎた仮説とも言えてしまいますが、実際何が本当に起きたのかはわからないので、もしかするとそうだったのかもしれません。しかし、つまり頼朝は毎日歯の手入れを良くしていれば、もっと長生きしたかもしれないのです。もちろん体中の病と歯槽膿漏はとても繋がっています。糖尿病にも肺炎にもです。

でも先生、この話とコロナウイルスは何か関係あるの? と思われるか、または以前私が書いた記事 歯槽膿漏とコロナ感染 December 2020を読んでいてしかも覚えている方がそうか口内の手入れの良し悪しと両方とも関係しているからこの2つの事は繋がると思われるかもしれません。もし覚えている方がおられたら、それはすごいですし、とてもありがたいです。一応、この記事はホームページ上で読めるので、もしよろしければご覧ください。そして、まだはっきりとはわからないのですが、歯槽膿漏になっているとコロナに感染しやすいという生物化学説が今見えてきています。みなさんご存知だと思いますが、コロナウイルスは周りの突起物スパイクが私たちの細胞の表面にある他の物質を受け入れるための受容体(レセプター)にうまく繋がり、細胞内に浸透して感染します。ところが、そもそもこのレセプターには炎症に関係している物質を受け入れる役目があるのです。つまり、このレセプターが活発になる事、また増える事を炎症は誘発します。従って、体のどこかが炎症を起こしていると、そこはコロナウイルスに感染しやすくなっているのです。つまり、歯茎が歯槽膿漏により慢性的に炎症を起こしていると、そこはコロナにとってはとても感染しやすい箇所になります。歯槽膿漏だけでなく、いろいろな持病はだいたい炎症と関係しています。もちろん持病がある方はコロナ感染をして重症になる可能性が高い事は皆さんご存知だと思います。

本当に歯と歯茎を大事にしてください。口内の健康だけでなく、体全体の健康に繋がります。源頼朝ももっと長生きしたかもしれません。コロナなんかにも負けません。毎日良く歯磨きとフロスをして、そして定期的に歯医者さんで検診とクリーニングをしてください。もちろん、検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

   

 

 

 

 
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