歯茎が下がる事 April 2022  

歳をとると起きてくる事の一つが歯茎が下がる事です。専門用語では歯肉退縮と呼びます。下がると言っても上の歯は歯茎が上になくなっていくと言えばそうです。だいたいは30歳ぐらいから見えてくるのですが、データでは40歳ぐらいの方の8割は歯茎が下がってきているのが見えていると出ています。歳をとってきて何も体が衰えないという事はあり得ません。しかし、この事は食べ物が歯と歯の間に挟まりやすい、また歯の根元が沁みるという事をおこしだします。そこで、今回はこの歯茎が下がる事について詳しく書きます。

歯茎が下がる理由はいくつかあります。やはりどうしても歳をとってくるとそれまで毎日いろいろなものを口に入れ、そして強い力で噛んで食べていて、歯茎と歯が若い頃と一緒でいられるという事はあり得ません。ある程度は起こって当然だと言えます。しかし、それと共に歯磨きが強すぎると、歯茎は削られてしまいます。特に歯茎と歯の境目のある歯の横の部分で歯ブラシを横にごしごしと大きく動かして磨いてしまう事は避けて下さい。歯の側面では歯ブラシは細かく動かす事が基本だと思ってください。また、もちろん、歯磨きとフロスを毎日良くしていなければ、歯茎には歯垢(ばい菌)が付きっぱなしになり、歯茎を傷めます。この事は歯茎を下がりやすくします。従って、歯磨きとフロスは毎日必ずし、しかし歯の側面は横にごしごしとはしないと心掛けてください。歯の磨き方については、よろしければ、前に書いた歯磨きの基礎 January 2009をホームページ上でお読みください。また、歯ぎしりや歯の食いしばりをしてしまう方は歯だけでなく歯茎にも大きな負担をかけてしまい、やはり、歯茎が下がる事に貢献してしまいます。つまり、ある程度歯茎が下がる事は防げないのですが、ダメージを少なくする事を心掛けてする事は出来ます。

しかし、歯茎が下がるといくつかの問題が起こってきます。歯の根の部分はエナメル質で囲まれていません。象牙質だけしかなく、この部分はエナメル質の4分の1ぐらいの硬さしかありません。従って、削れやすく、虫歯にもなりやすいのです。しかも歯根の象牙質の中にはすぐに歯髄があり、つまり簡単に沁みやすくもなります。また、歯槽膿漏があり、歯茎が下がり、それが進んで歯周骨も失くなってしまうと、歯は根の方が細いので、歯と歯の間に三角形の隙間が出来てきます。つまり、食べ物が挟まりやすくなります。この事は最初から柔らかくて虫歯になりやすい歯根をもっと虫歯になりやすくします。

おいおい良い事無いではないかと思われるかもしれません。しかし、もちろん、出来る治療はいくつかあります。今現在ある程度は手術により歯茎を上げる事は可能になっています。しかし、歯周骨は歯茎と共に縦に下がった場合大部分足す事はできません。また、根の所に虫歯で穴が開いてしまったり、削れてしまった場合にはそこを詰め物で補強する事が出来ます。少しだけ根が見えていてそこが沁みている場合にはそこに沁みなくする薬を塗る事も出来ます。治療の判断は歯医者さんがする事で、歯茎の手術はもしそれがベストな治療であれば、私は歯茎の専門医を紹介します。

歳をとってきて歯茎が下がる事はある程度は防げませんが、出来るだけ歯茎が下がらないようにする事は出来ます。簡単に毎日歯磨きとフロスをうまく、良くする事が一番の誰もが出来る予防です。みなさん、毎日しないといけない、めんどくさいと思わず頑張ってして下さい。また、歯医者での定期的な検診とクリーニングもして下さい。本当に簡単な理由なのです。歯垢、そしてその中にたくさん住んでいるバクテリアはいつもいつも歯にくっついていきます。そして付きやすい箇所の一つが歯と歯茎の境目です。この歯垢は歯に付いていられるようにべとべとしていて、従って、物理的に取り除かなければそのまま歯の表面に残ってしまいます。そして、この歯垢は放っておけば大きくなり、中でばい菌たちは数もどんどん増やします。微生物が起こしているので簡単に目で見えないだけなのです。歯と歯の間に隙間がある場合は歯間ブラシを使う、またウォーターフロスを使うという手段があります。実際ウォーターフロスは誰にもおすすめします。もちろん、定期検診、クリーニング、また治療のためにはお電話下さい。

              

 

 

 

 
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