お歯黒、そして歯の定期検診 October 2022  

歴史を知っていれば、日本では昔お歯黒は普通にされていた事はみなさんご存知だと思います。特に興味深いのが江戸時代には庶民の大部分の女性は結婚すると眉をそり落として、お歯黒を毎日していたという事です。私は少しは映画やテレビで日本の時代劇を観ているのですが、お歯黒をしている女性はまれにしか出てこないで、でもこれは単に予算の関係とそれに出てくる女性のたくさんの方が眉をそってしかもお歯黒をしていたらちょと現代の私たちには不気味すぎるからだろうと思う事があります。しかし、本来江戸時代のたくさんの女性はお歯黒をしていたはずで、しかもお歯黒をしている女性は口元がやわらいでいて美しいとされていたと考えられています。とてもおもしろい文化です。あれ、先生、この事と歯の定期検診と何か関係あるの? と思われるかもしれませんが、まあそう思わず読んで下さい。今回はお歯黒とそして歯の定期検診について書きます。

お歯黒の習慣は他のアジア諸国にもあるのですが、日本では特別に昔からあったものです。日本では1200年以上前からされていて、というかもっと前からされていたかもしれないのですが、記録上は奈良時代からはずっとされていました。歴史上、最初は男女両方していて、それが女性だけの習慣になり、また上流階級だけのものだったのが、江戸時代には一般の女性が結婚すると普通にするものになっていました。それと共に結婚すると眉をそっていたので、なんというか、悪いけど今だとハロウィーンの時の化粧になれます。まあ眉をそるのは勇気がいりそうです。しかし、もしかするといつかアメリカなどではこれはとても個性的で良いと誰かする人がでてくるかもしれないとも思いました。今でも鼻とか舌にピアスはされているし、ラッパーの方は歯にギラギラのグリルを取り付けたりしています。でも、日本では明治時代の始めにお歯黒の禁止令が出され、その後、天皇皇后がお歯黒をやめたあたりからだんだん一般庶民のお歯黒は無くなっていったと伝えられています。

ただ、お歯黒は歯の健康にはとても良かったのです。お歯黒は化学的には歯を虫歯になりにくくさせ、また、歯に虫歯があったとしても、塗ると虫歯の進行を抑制する働きをしたのです。また、知覚を鈍化する、つまり沁みる事や痛くなる事をなくす事もしたのです。つまり、お歯黒の効能はすばらしかったのです。今でも似た薬があり、虫歯に塗ると真っ黒になるが、虫歯を抑える効果がある薬を歯医者では使っています。ただ、真っ黒になるので、使い道に限りがあります。もちろん、時と共に文化や習慣は変わるもので、お歯黒の文化は長い間続いたが明治時代にじょじょになくなったのです。

では、歯の定期検診に話を移します。歯の定期検診をする事はスウェーデンやアメリカではとてもいきわたっていて、人口の90%から80%の方たちが普通にされています。日本では今の新しいデータでは30%あたりとなっています。少ないようですが、ちょっと前までは2%もしくは10%という数値でした。つまり、少しずつですが、日本のみなさんの習慣が良い方向に変わっていっているようなのです。私は歯の定期検診をするという習慣文化がじょじょに日本でも普通になってくれることを期待しています。未来は見えないですが、文化や習慣は時と共に変わり得ます。お歯黒の文化も長く続いたものですが、今は無くなっています。歯の定期検診とそれと共にお勧めする歯の定期クリーニングは歯と歯茎の健康のためにはとても意義のあるものです。長い目で見れば、虫歯も歯槽膿漏も早期発見と早期治療は治療が小さくてすみ、後で大きな治療になってしまいお金がかかるという事が無くなります。また、定期クリーニングは歯茎を健康な状態に保ってくれることにとても貢献します。虫歯も歯槽膿漏も予防は歯と歯茎をいつもきれいにしておく事が基本なのです。

今回は文化や習慣は時と共に変わっていくという事でお歯黒と定期検診を繋げましたが、実際は文化や習慣にとらわれず、単に歯の定期検診と定期クリーニングは理に適っているからするという事はあっています。みなさん、毎日良く歯磨きとフロスをしてください。また、歯の定期検診とクリーニングも是非してください。定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。

              

 

 

 

 
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