一茶さん December 2022  

小林一茶、江戸時代の有名な俳人、のある俳句を紹介します。“歯がぬけて あなた頼むも あもあみだ” です。小林一茶は大変歯の状態が悪く、50歳を超えたころには歯は全て無かったと伝えられています。そしてこの “あもあみだ” は ”南無阿弥陀” と仏様にすがろうとしたのだが歯がないので、“あもあみだ” としか言えなかったという事です。これ歯がなくなった事の悲しさや心細さを表していて、しかもユーモアを含めている句です。先生これ本当に小林一茶の俳句なの?と思われるかもしれませんが、そうなのです。また、私は彼には発音だけでなく、食事も大変だったろうなと思います。今は歯が全てなくなっても入れ歯、そしてそれよりも進んだインプラントを使用しての治療で、とても良く対応できます。でもだからといって歯の健康をおろそかにするのも大きな間違えです。日本歯科医師会が2020年におこなった調査では日本人30代の78%の方たちは歯の検診と治療をもっと早くやっておけばよかったと後悔していると出しています。後悔先に立たずという事ですが、今回はとても基礎的ですが、早めの治療とそして予防の大切さについて書きます。

今現在歯の治療の技術はとても進んでいます。一茶のように歯を全てなくしたとしても、ずいぶん良く修復できます。発音もよくし、噛む事も出来るようになります。入れ歯だけですと噛む力は歯がある時よりも弱まりますが、歯が全部無いよりは全然良くなります。インプラントであるとインプラントは歯骨に強くくっついてくれるので、とても頑丈になります。どちらも見た目はとても良くできます。今は患者さんのいろいろな状態に合わせて優れた治療ができます。とてもありがたいことです。

しかし、当たり前の事ですが、虫歯や歯槽膿漏はとても悪化する前に治すべきです。早めに治しておけば、もちろん時間も費用も莫大にならないですし、事実上、自分の歯はどんなに良い人工の歯よりも優れています。一応、金は良い素材だと言えるのですが、ただ色が歯とは違います。また、歯茎はダメージがあったらもう前の状態には戻りません。ある程度は良くできますが、治療はおこってしまったダメージ以上にダメージができるだけ進まないようにするものです。たまに、患者さんに歯の見えてるところを完全に被せるクラウンで治した後にはもうその歯は虫歯にならないのかと聞かれるのですが、もちろんまだ歯の根の方は残っているのでそこからは虫歯になり得ます。また、インプラントは虫歯にはならないですが、歯槽膿漏にはなり、実際、インプラントのほうが自分の歯よりも歯槽膿漏に弱いのです。人工のインプラントはばい菌がくっついてくるとそれに何も対応しようとはしないのですが、自分の歯は対応しようとするのです。つまり歯槽膿漏に関しては自分の歯のほうが治りやすいのです。従って、今ある技術は確かに優れていて、必要であればこの技術で治すべきですが、口内の状態が悪化するのを待ってから治しても後は全てバラ色というわけではなく、やはり出来るだけダメージが少ないうちに治したほうが絶対良いのです。

本来、これも当たり前ですが、予防が一番大事です。虫歯も歯槽膿漏も防ぐ事がベストです。毎日歯磨きとフロスを良くし、そして歯医者での検診とクリーニングを定期的にしていれば、一茶さんのようになる事はまずありません。どんなに頑張っても虫歯や歯槽膿漏は完全には防げない事はありますが、早めに治せばダメージは少なくすみます。私は治療が必要であれば、大きな治療だろうが小さな治療だろうがその対応は出来るだけの事をします。しかし、予防を良くしていればいるほど、歯と歯茎の健康は保たれるので、みなさん本当に予防に力を入れてください。

定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

   

 

 

 

 
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