歯石とは? February 2023  

2月にはバレンタインデーがあり、これ今や日本でもアメリカでもチョコレートの日になっていますが、きざな感じでは愛の日とも言えます。チョコレートはおいしいですが、まあ全然関係ないとも言えますが、歯も愛をこめて大事にしてください。ところで、ある日気付いたのですが、私は歯垢についてはいろいろ過去に書いていますが、歯石については詳しく書いていませんでした。そこで、今回は歯石について書きます。

歯垢はバクテリアが作り、歯に付着して、その中にバクテリアが住み着く柔らかいものです。そして、歯石はこの歯垢と唾液内の成分が結合して出来る固いものです。8割ぐらいは唾液内からのリンとカルシウムで、これ歯の成分と同じなのです。でもその中に歯垢とバクテリアは固められて入っています。しかも歯石内ではバクテリアは死んでいます。従って、体がばい菌に対応しているようではあるのですが、歯石はもちろんざらざらしていて、その表面には歯垢がくっつき、また歯茎にあたって歯茎を傷めます。従って、歯石を除去しないで放っておくと、歯茎は下がる事をし、また歯槽膿漏を悪化させます。

歯石が出来るためには唾液内のリンとカルシウムが歯垢とうまくくっついていく必要性があり、つまり唾液内のリンとカルシウムの量や唾液のpHなど唾液の質、そして歯垢の量も関係します。歯垢が歯石になるまでは数日から2週間ぐらいの間と考えられています。しかもだいたい歯石は、口内で出来やすい箇所が決まっています。口内で唾液が出てくる所はちょうど下の前歯の裏側の舌の下と、上の奥歯のほっぺた側です。唾液が出てくる直ぐの所は唾液内のリンとカルシウムの濃度が一番高いので、下の前歯の裏側と上の奥歯のほっぺた側には歯石がたくさん付くのです。唾液の質は個人差がとてもあるので、人のよってはすぐに歯石がたまる方がいて、人によってはあまりたまらない方もおられます。もちろん、歯垢がたくさんあってもいけないので、良く歯磨きをして歯垢をとっていれば、それだけ歯石もできません。

しかし、歯石は出来てしまうと、とても硬く、しかもとても強く歯に付着します。従って歯ブラシではとれないので、歯医者さんの所でとる必要性があります。しかも、歯石は口内の歯のどこでも出来得、目で見える所以外の歯と歯茎の間にももちろん出来るので、そうなるとそこにはバクテリアは簡単に付着し、また歯石自身も歯茎に変に当たり、歯槽膿漏をどんどん悪くする事をします。従って、歯石は量が多くならないうちにできるだけ定期的に歯医者さんで取り除いていただきたいです。あまりにも歯石が多くしかも歯槽膿漏にもなっている場合は麻酔をして歯と歯茎の間を深くまで掃除をする必要性が出てきます。簡単に歯槽膿漏、そして虫歯、の予防はいつもいつも歯、そして歯茎をきれいにしている事です。

本来、リンとカルシウムが唾液内にある事は良い事です。歯の表面で起こっている脱灰と再石灰は大部分リンとカルシウムで起きています。歯の表面が酸で溶けて柔らくなって、それが中和されると元の硬さに戻るという事を私たちの歯は食事事に繰り返しています。そして大部分溶け出すものはリンとカルシウムなのです。従って口内に放出される唾液内にリンとカルシウムが多くあれば歯が再石灰する時にとても役だちます。つまり、もし歯垢が歯の表面についているとそれに唾液内のリンとカルシウムはくっつき、歯石を作ってしまうのですが、歯垢が歯の表面に無ければ、歯自身にリンとカルシウムがつく事が出来、歯を硬くするのです。すなわち、毎日歯垢を歯磨きとフロスで良く取り除いて、しかも歯石ができてしまっても歯医者で定期的に取り除く事はとても理にかなっています。

一応、歯石を抑える事をする薬のポリリン酸ナトリウム(Sodium Pyrophosphate)というものが入っている特別な歯磨き剤が日本にもアメリカにもあります。この薬は出来上がった歯石に何かするのではなく、リンとカルシウムに結合して、リンとカルシウムが歯にも歯垢にもつながり得なくするものです。アメリカではTartar(歯石)Control Toothpasteとして市販されていますが、この歯磨き剤はとても歯石がたまってしまう方は使って良いのですが、事実上、歯に大事なリンとカルシウムを排除してしまうものと考えて使ってください。

みなさん、毎日の歯磨きとフロス、そして歯医者さんでの定期的な検診とクリーニングは本当に大事です。もちろん、検診、クリーニング、また治療のためにはお電話ください。

   

 

 

 

 
ホーム | 医院紹介 | 患者様の声 | 馬場歯科便り | おすすめ歯科用品 | ロケーション | お問い合わせ

20261 Acacia Street Ste100 Newport Beach, CA 92660
Tel. 949-752-6480

© Kenichi Baba, DDS