体の健康のために口内を清潔にしましょう April 2023  

体全体の健康と口内の健康はとても繋がっている事を何回かこのニュースレターで書いています。歯の根の先が化膿していたり、歯槽膿漏で歯茎が炎症していると、そのバクテリアと炎症物質は血管を通して体中に回ります。従って、体の健康のためには口内を健康にしておくことが必要不可欠です。だんだんいろいろな研究でこの事がより良く見えてきているのですが、今回はつい最近に発表された研究調査結果二つを紹介します。これを読んで、少しでも良く毎日の歯の手入れをするようになっていただけると嬉しいですし、またいつも手入れを良くしている方も続けてする事を気にしていただけると嬉しいです。

まず、大腸がんに関する新しい調査結果をお知らせします。癌細胞の周りには特定なバクテリアたちが住み着く事があり、大腸がんを調べたところ、このがん細胞の周りには歯槽膿漏の原因の一つであるF. nucleatumというバクテリアが特にいる事がわかったのです。しかもこのバクテリアは私たちの免疫攻撃からがん細胞を守っている事が見えたのです。つまり、このバクテリアががん細胞の周りに住み着いていると、癌細胞は守られて良く繁殖し体の他の部分にも良く回っていくのです。しかも、口内からのバクテリアではないのですが、腸内にいる他の特殊なバクテリアが一緒にいると、今度はそのバクテリアはF. nucleatumとがん細胞をがんのために服用した薬からも守る事がわかったのです。この研究では大腸がんとバクテリアの関係を調査したのですが、この事は他のいろいろな箇所のがんにも当てはまるのではないかと今は考えられています。従って、口内で悪いバクテリアが繁殖してしまうと、これは口内だけの問題と考えてはいけないのです。

また、つい最近のもう一つの研究では脳膿瘍(のうのうよう)という脳の中に膿(うみ)がたまる病気にどのバクテリアが関与しているかを調べました。もうお分かりのことかと思いますが、多くのバクテリアは歯に起こる膿瘍のものだったのです。しかも同じバクテリアは肺や肝臓に問題があるとそこにも良く居る事がわかっています。脳膿瘍は多く起こる病気ではないのですが、つまり、口内のバクテリアは体中に回っていて、体のいろいろな箇所で問題を起こし得る事が判明しています。

実際は他の研究でも癌、循環器疾患、糖尿病、アルツハイマー病などに口内のバクテリアが関与している事がわかってきています。また、歯槽膿漏などにより口内が炎症していると、この炎症物質は体中に回って、悪いバクテリアをいろいろな体の個所で繁殖しやすくしているのではないかとも考えられています。まだまだ分かっていない事がたくさんあるのですが、今分かっている事からだけでも口内の健康が体の健康にとても大事な事が見えます。また、逆に体のどこかに問題があると、それが口内の健康に関係するとも考えられています。体は全体的に繋がっているのです。もちろん、虫歯は進んでしまい、歯の神経まで達してしまうと今度はそこが腐り、化膿してしまい、膿がたまりだします。歯槽膿漏は慢性的に炎症をおこし、また化膿することもあります。これらの予防の基礎は簡単にいつも歯と歯茎を清潔にしている事です。従って、毎日歯磨きとフロスを良くして、また歯医者での定期検診とクリーニングもして下さい。定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 
ホーム | 医院紹介 | 患者様の声 | 馬場歯科便り | おすすめ歯科用品 | ロケーション | お問い合わせ

20261 Acacia Street Ste100 Newport Beach, CA 92660
Tel. 949-752-6480

© Kenichi Baba, DDS