骨粗しょう症の薬と顎の骨  April 2024

大体の方は骨粗しょう症が何かはなんとなくでもご存知だと思います。骨の密度が低下して、骨が弱くなる事で、つまりなっていると骨が折れやすくなります。そして、骨粗しょう症の方に服用して頂く薬というものが一般的にあります。いろいろな名前のものがあるのですが、いずれも同じビスフォスフォネートという種類の薬かデノスマブという種類の薬が主に使われています。錠剤のものと注射でするものとあります。しかし、この薬たちはとても可能性は少ないのですが、顎の骨に悪い影響を与える事があります。顎骨壊死というつまり、顎の骨の一部を腐らせ、死なせるというものです。これなってしまうと治らないのではないのですが、治しにくいというものでもあります。まれに起こる事で薬を服用していてこれが起こる可能性は0.02%から0.05%ぐらいです。しかし、この薬たちは、アメリカでも日本でもとても良く処方されるものでもあるので、この薬と顎の骨の関係は知っておくべきことだと思います。従って、今回はこの薬と顎の骨の関係について書きます。

まず、骨粗しょう症について書きます。私たちの骨は常に無くなって、そこに新しく作られるという事をしています。つまり、数年後には私たちの骨は全部新しくなっていると言えます。とてもうまく起こるので、自分ではこれが起こっている事は感じません。この事は骨吸収と骨形成と呼ばれていて、破骨細胞と骨芽細胞という細胞たちがこの事をしています。古い骨が無くなって、新しい骨がそこに出来るという事で私たちの骨は長い間頑丈になっていてくれるのです。骨粗しょう症はこのしくみがうまく働かなくなって起こるわけで、必要な栄養が足りなかったり運動不足だったりすると起こりえるのですが、もうひとつ、閉経によるエストロゲンの減少というものが女性の方には骨粗しょう症の原因になる可能性がとても高いです。女性ホルモンであるエストロゲンは骨吸収と骨形成に大きく関与していて、このホルモンが減少すると前の様にうまくできなくなり、結果として骨の密度が下がってしまうのです。従って、骨粗しょう症は高齢の女性に多く診られます。ただ、男性の方にも骨粗しょう症は起こり得るので、男性は大丈夫とは思わないで下さい。

ビスフォスフォネートとデノスマブは破骨細胞を抑制します。つまり、古い骨を失くせなくするので、骨の密度を保つという薬たちです。簡単には古い骨が残るので、骨がもろくならないと考えられるのですが、本来はなくなるはずのものを残して密度を保つというものだと知っておくべきです。また、普通は破骨細胞と骨芽細胞はいろいろかかわりあって、骨をうまく頑丈にしています。従って、骨粗しょう症のために薬が必要であれば、服用するべきですが、絶対的な特効薬ではありません。

では、顎の骨について書きます。顎の骨には歯が繋がっているので、ここだけは骨の新陳代謝が他の個所よりも多く起こっているのです。他の骨の10倍ぐらいとまで言われています。つまり破骨細胞と骨芽細胞がどんどん働いています。そのため、ビスフォスフォネートで、この仕組みを崩してしまうと、顎の骨では何かしら骨を侵す事が起こるとそこを自ら治す事が出来にくくなると考えられています。口内が不衛生であったり、歯茎が炎症をおかしたりしていると、良くありません。抜歯やインプラントなどは顎の骨を直接触るので、どの薬をどれだけの年数服用していたかなどを検討してとなります。顎骨壊死は痛みがあり、腫れ、また膿を出し、そして、骨が変に露出した状態にします。ただ、問題が起こる可能性は0.02%から0.05%なので、骨粗しょう症のために薬を使うべきであればもちろん使うべきです。骨を触らない歯の治療には問題ありません。つまり、クリーニングや虫歯を詰め物で治すなどは普通にしてかまわないのです。

当たり前の事ですが、薬は本当に必要な時には服用し、でも必要でなければ、簡単に使用はしないほうが良いと思います。骨粗しょう症のためであれば薬の服用は、プラスとマイナスを色々考えて行って下さい。もし普段の食生活、サプリ、そして運動だけで、骨の密度がある程度まで保てればそれに越した事はありません。顎の骨に関しては、もちろん口内が健康な状態であれば、ビスフォスフォネートなどの薬を使っていようがいまいが、問題はあり得ないです。口内の健康のために毎日歯磨きとフロスを良くし、歯医者での定期検診とクリーニングもして下さい。検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。

   

   

 

 

 

 
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