健康寿命と歯 August 2024 亀は長寿だと知られています。これは亀は老化速度がとても遅いから、というか亀はスローモーションの生物だからと言えます。もちろん、人間も、まあ全然違う理由からですが、だんだん長生きになってきています。そして日本人は寿命がとても長いと統計がだしています。2024年のデータでは日本人は平均寿命が世界で一番長く、1位で、健康寿命も2位と毎年だいたい国々の中ではトップ3の中に入っています。ちなみに平均寿命は死亡するまでの期間、そして健康寿命は自立した生活ができる期間とWorld Health Organization(WHO)が提唱しています。WHOの2024年の統計では日本人の平均寿命は84.5歳、そして健康寿命は73.4歳となっています。統計の中では普通女性の方が男性よりも寿命は長く、また、だいたいどの国でも健康寿命は平均寿命よりも10年ぐらい数値が低くなっています。つまり、統計的には老人の最後の10年ぐらいは自立した生活ができない状態がずいぶんありうるという事になってしまいます。まあ統計的にはそんなものかと割り切って言えてしまうかもしれませんが、これ全然良くないです。しかもその中で日本人は長寿なのに、老人が寝たきりになる率が他の国よりもダントツに多いというデータがあります。この寝たきりの事は歯とは直接には関係ないのですが、健康寿命を長くするためには歯の健康はとても大事です。そこで、今回はこれ大事なので、この寝たきりの事、そして健康寿命を長くするための歯の健康について書きます。 まず、寝たきり老人が日本は世界中で人口の中での割合が特殊に多いという事について書きます。私が調べた限りでは最後のデータが2010年のもので近年のデータが無いので、推定でしかないと言えばそうなのですが、それでも、すごい事に人口内で日本人の老人の寝たきりになっている割合はアメリカの5倍、イギリスの3倍、そしてスウェーデンの10倍とめちゃくちゃに多いのです。つまり、健康寿命と平均寿命の間の約10年の間に日本人はとても寝たきりになる事が多いという事になります。自立した生活ができなくてもまだ動く事が出来いろいろな事ができるのとただ寝ているだけとでは随分生活が違います。そして単に寿命が長いと寝たきりの人も多くなるという事よりももっと日本だけ、ずば抜けて多いです。また、違う2011年のデータがあり、平均した病院での入院日数を国ごとに比較すると、なんと日本ではダントツにこの日数が多いのです。寝たきり老人の少ない国では皆入院日数を出来るだけ少なくしていて、しかし日本ではとても日数を多くしています。日本ではこの事が患者さんの活動を制限し、筋力を低下させ、つまり退院後も老人が寝たきりになる状態を増やしてしまっていると考えられています。他にも原因があるのかもしれませんが、日本と他の国の、医療制度と文化の違いが寝たきり老人を日本ではダントツに多くしてしまっているようなのです。この事は歯とは直接には関係ないですが、皆さん頭の隅にそういえばこんな事を読んだ事があると入れておいて、もし日本で誰かが、あなたもです、老人で何かのために入院した場合、簡単ではないかもしれませんし状況によって違いはありますが、早く退院しないといけないととても気にしてください。もちろん、健康寿命が長く、入院するほどの病気もしなければ、その方が全然よいです。 では、歯の話に行きます。健康寿命を長くするためには歯の健康はとてもとてもとても大事です。当たり前の事ですが、歯を失くしてしまったら食事がうまく出来なくなり、栄養不足になりやすくなります。また、噛む事は脳への血流を良くし、脳を活性化させるので、もし歯が無く、良く噛めなくなると、ぼけやすくなります。また、食物を良く噛めないと、消化器官に負担がかかります。それだけで無く、歯槽膿漏や虫歯のばい菌、そして歯槽膿漏からの炎症物質は血流を通して体中に回っていき、いろいろな病をもっと悪くします。口内の健康は体の健康にとても繋がっています。みなさん、歳をとった時の事を若い時にはそんなに考えないかもしれませんが、歯の健康を若い時からずっとずっと保っていけば、それだけ後に歳をとった時に健康寿命が長くなります。そして絶対的にばい菌は歯と歯茎にいつもくっついていくので、これ生きているうちは毎日歯磨きとフロスを良くしてください。その日その日いつも続けてください。また、だらだらとお菓子などを食べる事はしないでください。歯医者での定期検診とクリーニングもしてください。 もちろん、検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。
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