イエテボリテクニック November 2024 イエテボリテクニックって何なんだと思われる方は多いと思います。これスウェーデンのイエテボリ大学の歯学教授たちが研究に使った歯磨き方法だったのです。この名称なぜか日本の歯科の世界では良く使われていて、しかし、実際英語では、というか本来記載された論文内では、Modified Fluoride Toothpaste Techniqueとなっていて、つまり普通の仕方から修正された(Modified)歯磨き方法という事です。ところで、イエテボリ大学と検索してみたら、英語ではUniversity of Gothenburgと出て来て、あれ?名前が全然違うと思いました。で、もっと調べてみたらスウェーデン語ではGothenburgはGoteborgでしかもこの発音はイエテボリでした。何というか、スウェーデンではGoはYoの様に発音するという事を知りました。はい。トリビアでした。では、このイエテボリテクニックとは具体的にはどういう方法なのだと思われるでしょう。今回はこの方法を紹介して、この中で一番大事なポイントのフッ素の使い方について書きます。 では、このテクニックを紹介します。1日朝晩と2回歯磨きをするのですが、1回ごとに普通よりも多い量の歯磨き剤を使います。フッ素入りの歯磨き剤を2㎝使うとなっています。そして2分間磨き、その後口内に10mlぐらい、つまりペットボトルのふた一杯ぐらいの少量の水を口に入れ、口内で30秒ぐらいぶくぶくと濯ぎます。そして、ペッと出すのですが、その後口内は水で濯ぎません。しかもその後2時間は飲食はしてはいけません。口内を濯がないので、なんなんだこの方法は!と思われるかもしれませんが、これが実際に研究で使われた方法なのです。この研究結果は1995年に発表され、スウェーデンの4歳の子供たち369人の約半分にはこのテクニックを使わせ、他の子たちには指導を一切しなかったというものです。そして、3年後この2つのグループの子たちのむし歯の数を調べたのです。最初から研究結果の見当がつく気がしますが、このイエテボリテクニックを使っていた子供たちは他の子たちよりも26%ぐらい虫歯の数が少なかったのです。他にも同じような研究が今までにいくつかあり、どれもイエテボリテクニックを使った方が使わないよりも2割ぐらいは虫歯の発生率が少なかったという結果がでています。 この方法はでもなんで良いのかと考えると、当たり前の様に多くフッ素が口内に長く残されるからと言えます。フッ素が多く長く歯に付着、もしくは歯の周りにあれば、それだけ歯は強化され、虫歯になりずらくなります。しかし、歯磨き後に口を水で濯がないというのは汚い感じがして、どうもしたくないという方は多いのではないかと思います。ただ、逆に歯磨き後にそんなにたくさん濯いでおく必要は無いとも言えます。実際はちょっと1回濯いでなんか少し歯磨き剤が残っているかなぐらいでも全然良いのです。私自身は理屈的にはちょと濯ぐだけで良いので、そうしています。でも、もし虫歯が出来やすい方であれば、普通に磨いた後にまた歯ブラシで歯磨き剤を歯に付けてそのまま寝るという事もできます。また、2㎝も歯磨き剤を歯ブラシにつけても、普通の歯磨きであれば、大部分は濯ぐ時に流されてしまい、無駄になってしまいます。1㎝かもっと少なくて良いと思います。もちろん、イエテボリテクニックを使うのであれば、2㎝の意味があります。大部分口内に残すからです。私はそれよりももし虫歯によくなってしまうのであれば、磨いた後にまた歯磨き剤を歯に塗るほうが汚れがとれているので良いのではないかと思います。 私はお子さんであれば、検診とクリーニングの際にフッ素のとてもべたべたしたものを歯につける事をしています。もちろん、歯を虫歯になりにくくするためです。また、本当に虫歯が多い方であれば、歯磨き剤にフッ素が多く入っている処方する歯磨き剤をお渡ししています。みなさん、普通に良く磨いていて良いのですが、もし、どうも虫歯が出来やすいと思われましたら、このイエテボリテクニックを使うか、またはこのModifiedの方法を自分でもModifyして良いですから、自分に合わせて歯磨き剤を使ってください。もちろん、お聞きいただければ、こうしてみては、とお知らせします。基本的に大事なのは毎日の良い歯磨きとフロス、そして定期的な歯医者での検診とクリーニングですので、どうかしてください。 定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。
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