肥満と歯と歯茎 December 2012

サンタさんは太っています。そして世界のいろいろな所で本当にサンタクロースのような体つきで顔にも白いひげの方がおられます。クリスマスには良いのですが、太りすぎは健康に良くありません。困った事にアメリカには世界中で一番多い割合で肥満の方がおられます。大人の方だけでも全人口の37%は肥満だとされています。しかもこの数値は20年ぐらい前から少しずつ上がってここまで来ています。日本ではアメリカほどでは無いのですが、問題が見えて来ています。体のどの部分も繋がっていますから肥満は口内の健康にも影響しています。そこで、今回はこの肥満の問題について書かせて頂きます。

通常、肥満であるという定義にBMI(Body Mass Index)と言う数値が使われます。 数式があり、体重(kg)を身長(m)の二乗で割ったものとされていますが、この数値が大きいほど肥満であるとされています。アメリカではこの数字が30以上であると肥満であるとされています。もちろん見た目だけでもこの数値を超えている方は不健康に太りすぎているように見えます。しかしアジア人の場合、体型は違いますし体内の脂肪分の割合が他の人種よりも少なくても糖尿病などの病気になりやすいため、日本ではBMIが25以上であると肥満であるとみなされます。従って見た目だけでの判断でもアメリカ人には太りすぎている方が多いのは確かですが、それに比べて日本人の方がそれほど太っていないから大丈夫だと思ってはいけません。そしてこのBMIが25を超えている方は日本では大人の方の20%の割合でおられます。この数字も年々上がってきて今ここまで来ています。

肥満は健康にとても悪く、糖尿病、高血圧、心血管疾患と色々な病に繋がっています。もちろん肥満の原因は糖分、炭水化物、脂肪の摂取量が多すぎ、しかもそれにともなって運動量が少なすぎる事にあり、アメリカではどれだけ安く簡単に糖分や脂肪の多い食物が手に入り食べられるかという事が解ります。またアメリカ程では無いのですが、同じ食文化が日本にも入って来て普通になろうとしている事も見えます。いろいろなお菓子、ソフトドリンク、ファーストフード、またいろいろな加工された食品が普通に手に入るようになっているので食事には気を使わないと不健康な食生活が簡単に出来てしまいます。事実上、肥満は先進国の病気と言えます。

肥満であるという事は体に余分な脂肪が蓄積されているという事で、これは高血糖、高脂血、高血圧と共に起こります。そして高血糖つまり糖尿病は歯槽膿漏を治らないようにしまた歯槽膿漏は血糖値を上げる事を助けます。(ホームページ内馬場歯科便り糖尿病と歯槽膿漏October 2008をご覧下さい。)そして糖分や炭水化物の摂取量が多いという事はそれだけ虫歯のバイ菌においしい餌をあげている事でもあります。従って肥満、そして肥満になるための食生活は口内の健康にも良い事ではありません。

今後アメリカの肥満の問題はどうなるかはわかりませんが、食生活の改善は出来る事ですし、問題がある事は解っているので、良い方向に問題が解決されていく事を私は願います。当たり前の事ですが、皆さんバランスのとれた食事をして下さい。また食事の際に良く噛んでゆっくりと食べる事を心がけて下さい。急いで食べるよりも満腹感が増すので必要以上に食しないようになります。そして、確かに肥満になってしまうための食生活は口内の健康に悪いのですが、虫歯のバイ菌が歯についていなければどんなに糖分を口内にいれてもバイ菌が歯を酸でいためる事ができないので、毎日朝晩と良く歯を磨いてフロスもして虫歯のバイ菌をいつも歯の表面から取り除いて下さい。虫歯のバイ菌はいつも繁殖して歯に歯垢として付着していくものなので、毎日この歯垢を取り除く事が歯磨きとフロスの一番の役目です。歯槽膿漏の予防も同じようにバイ菌をいつも取り除く事が一番大事なので毎日の歯磨きとフロスを必ずして下さい。そして、やはり歯医者さんで定期的に少なくとも6ヶ月ごとには検診と歯のクリーニングをして下さい。

食物をまず摂るところが口ですので、口内の健康を大事にして下さい。もちろん体全体の健康のため、糖分、脂肪、精製された糖分に分解しやすい炭水化物を食べすぎないようにして下さい。

 

 

 

 

 
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