上下の歯の噛み合い September 2016

上顎と下顎の歯がどう噛み合っているかは皆さんあまり気にされていないかと思います。しかし、この噛み合わせは歯を治す際とても大切な事柄なのです。前に歯の噛み合わせ June 2012にこの事について書いていますので、よろしければホームページに行って読んでみて下さい。今回は大事なことですので続けて歯の噛み合わせについて書きます。

ビルの建築をする際、全体の設計が良く、物理的に柱がバランスされていていろいろなストレスに耐えられるようにする事が大事です。同じ事が上顎と下顎の歯の噛み合わせにも言えます。ある程度設計が良く無くても建築物はある程度は保たれます。しかしいろいろなストレスが建物に加わるにつれ、問題が見えてきます。逆に全体のバランスが良く出来ている建物はいろいろなストレスに耐え、長持ちしてくれます。同じ様に全体的に歯の噛み具合のバランスが良くなくても私たちの体はそれに順応してくれます。しかし、バランスの良い噛み合わせと比べると、余計に歯と筋肉と顎の関節にストレスが加わるので、どこかで問題が見えてきます。歯が欠けてしまったり、歯が変に動いて歯並びが悪くなったり、頭痛や肩こりになったりが起こります。従って、一本でも歯を治す際、その歯の上下の噛み合わせに気をつけるべきですし、全体の噛み合わせが悪ければ、噛み合わせを良くすることを考えなければいけません。

噛み合わせのバランスがとても大事だと言ってもこれを治すためには小さな事から大掛かりな事までをそのバランスの程度によってする必要性が出てきます。少しの事であれば、変に当たっている歯を削るだけで大丈夫ですし、全体的に悪ければ、歯科矯正という手段があります。また、歯に被せるもので噛み合わせを良くする事もできますが、これも1本や2本の歯だけですむ場合と全部の歯を治さないと出来ない場合などいろいろあります。従って、私は個々の患者さんに必要な事とその方の考え、ご希望などを、検討してその中で出来るだけ口内の健康を良くする方針で治療をさせていただいています。

この中で、みなさんに気をつけていただきたい事があります。歯を抜いた後、その抜いた歯とだけ噛み合っていた歯はだんだん突き出ていきます。歯と歯が噛み合っている事によって歯の上下の位置は保たれていて、それが無くなってしまうと歯は何かに当たろうとして動いていくのです。すぐに起こる事ではないのですが、長い年月の間放っておくとずいぶん歯は突き出ます。これは上顎の歯にも下顎の歯にも起こります。従って、もしそうなってしまった後に失くした歯をインプラントなりブリッジなり入れ歯なりで治そうと考えた場合、そこと噛み合っている歯も何かしらの方法で良い位置にもどす必要性があります。それをしないで、つまり噛み合わせを良くする事を考えないで治療をしてしまうと、その時は大丈夫のようでも噛み合わせの歯車がスムーズではなくなり、後に問題が出てきます。例えば、下の奥歯を抜いて長い間そのままにしてしまい、後にそこにまた歯になるものをつけたいと考えた場合、上の歯がずいぶん下に落っこちてきていて、つまり上の歯の治療も必要となる事があります。そして、どれだけ突き出ているかによって治療は小さな事から大きな事までいろいろ変わります。もちろん、歯は抜かないといけなくなる前に治す事が出来ていれば、その方が良いですし、歯を抜いたとしてもそこに早めに何かしら歯になるものをつける治療をすれば、この後での問題は起こりません。ただ、理想と現実は異なる場合はあって当然です。またもし、抜いてそのままにしていた歯が多くあった場合、長い年月がたつと残った歯はいろいろに突き出ていたり変に傾いていたりになります。つまり問題は重なっていくので、本当に歯を大事にし、治療が必要であれば早めにしてください。

私は治療は出来ますし、良い治療をする事を心掛けていますが、やはり、一番大事なのは予防です。どんな物でも手入れを良くしていれば、それだけ起こる問題が少なく、長持ちします。歯と歯茎、そして私たちの体もそうです。従って、毎日の歯磨きとフロスを良くし、定期的に歯医者での検診とクリーニングをしてください。もちろん、検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。

 

 

 

 

 
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