ハロウィーンの恐怖　October 2017

ハロウィーンとお菓子について、あるデータがあります。アメリカ人がハロウィーンに食べるお菓子の量は平均すると一人あたり3.4 pound （だいたい 1.5 kg）となっています。そして、アメリカ全体ではハロウィーンの時期には600,000,000 poundとゼロが８つの量のお菓子が買われています。しかもこの量は1年間に買われている量の4%のみでもあります。めちゃくちゃに量が多すぎるので、このデータは間違っているのではないかとまず思ったのですが、これはアメリカではあり得る数値です。もちろん日本人はそこまでお菓子を食べてはいないのではないかと思ったのですが、調べてみると、通常アメリカでは1日に一人が９５ｇぐらい砂糖を摂取し、日本では1日に一人が６９ｇぐらいという農林水産省によるデータが見つかりました。つまり日本人はアメリカ人よりも少なく砂糖を摂取しているのですが、数値は近づいている事も確かです。ハロウィーンに戻りますが、アメリカではもう9月からハロウィーン用にと袋詰めになっているお菓子がいろいろなスーパーマーケットに置かれ、買ってくれ、食べてくれと誘惑します。アメリカに住んでいると、やはりここの環境に影響されますが、だからといってハロウィーンに1.5㎏お菓子を食べないで下さい。歯の健康だけでなく体の健康を考えると、これは危険というか、もう恐怖です。前に2回ほどハロウィーンとお菓子について書いています。ハロウィーンのお菓子から歯を守る October 2009 と　お菓子はOK!? October 2014　 をホームページにてお読みください。基本的に大事なことなので、今回はハロウィーンでのお菓子対策として、していただきたい事を今一度記載させていただきます。

もちろん糖分が入っているいろいろなお菓子は虫歯のもとになるので、良くはないのですが、その中でも特に歯にくっついてしまうキャラメル、グミ、またドライフルーツなどは虫歯のもとになりやすいです。また、わざと酸っぱくしてあるSour Candyというものがあるのですが、これは酸と糖が両方入っていて特に歯には悪いお菓子です。チョコレートはまだ溶けて流れるという点からすれば、歯にくっついてしまうお菓子よりは良いといえます。もちろんダークチョコレートのほうが体には良いです。また固い飴は口に入れている時間が長くなるので、あまり良くありません。シュガーレスのガムやシュガーレスの飴は良いです。お菓子の種類によって差はありますが、簡単には糖分が入っていれば気をつける必要性があります。ハロウィーン用のお菓子のイメージから少し外れますが、ポテトチップスやおせんべいなども洗練された炭水化物なので、虫歯のもとになります。

また、歯の事を考えると、お菓子は食べる時を気にして下さい。一番良いのは昼食や夕食の時のデザートとしてです。そして良くないのが、間食を何回もしてそのつど糖分を口に入れる事です。食事の際に虫歯菌が歯の表面に居れば、酸を作り、歯を少し溶かします。また、食べたものが酸性であればやはり歯を溶かします。溶かすといってもカルシウムとリンが歯の表面に浮いた状態になってつまり歯の表面が柔らかくなるという事が起こります。しかし、その後私たちの体は唾液による中和によってこの溶けだしたカルシウムとリンを歯の表面に戻すことをしてくれます。でも、何回もお菓子の間食をしてしまうと、虫歯菌はその都度酸を作り、歯を溶かす事になり、唾液での中和が追い付かなくなってしまいます。つまり、酸によるダメージが治らないで、歯に穴が開いていってしまうのです。ミクロの世界の事なので、肉眼では見えませんが、こうして虫歯はできていきます。従って、お菓子の間食はなるべく避けてください。

そして、これも気にしてください。ハロウィーンだからといっても夜にTrick or Treat　に出かけるのであれば、出来れば夕飯を食べてからにしてください。お菓子をお子さんがたくさん食べてしまうのを防ぐためです。

また、当たり前の事なのですが、毎日の歯磨きとフロスはハロウィーンもちゃんとしてください。歯磨きは朝起きた時と寝る前には必ずしてください。"きれいに掃除してある歯は虫歯にならない"　と初期のAmerican Dental Associationのプレジデントが昔言われたのですが、理屈としてはその通りなのです。虫歯菌が歯にくっついていなければ、どんなにお菓子を口に入れても虫歯にはなり得ません。もちろん、理屈はそうでも完全に虫歯菌が歯についていないようにすることは難しいです。しかし朝晩ととても良く歯を磨いていればそれだけ食事をする際に歯の表面についている虫歯菌の量は少ないのです。朝と晩という理由は寝ている時は唾液の分泌が無くなり、虫歯菌を流しとる、また殺菌するという事が出来なくなるからです。歯磨きについても前に何回か書いていますが、ぜひ　歯磨きの基礎 January 2009　と　歯を磨く理由 September 2014　をホームページ上にてお読みください。

そして、簡単にお菓子を食べてすぐできることがあります。水を飲む、また水で濯ぐという事です。食べ物を流してくれ、しかも酸を中和させる事をします。もちろん、ソーダ、スポーツドリンク、ジュースなどは歯には良くありません。

このハロウィーン、お菓子を食べすぎないようにして下さい。もちろん、ハロウィーンだけでなく、いつでも食生活には気をつけてください。毎日歯磨きとフロスを良くし、歯医者での定期的な検診とクリーニングも是非して下さい。検診、クリーニング、また治療のためにはお電話下さい。