虫歯は不公平だ! November 2017

今年2017年11月に馬場歯科医院は開院して25年になります。ここまで来れているのは、いろいろな方たちの支えによるものですので、スタッフ、家族、いろいろな業者の方々、そしてもちろん患者さんの方たちにとても感謝です。歯医者としての経験と知識もそれなりにある事に対しても感謝です。もちろんどんな事柄でもそうですが、歯科医学だけでも奥が深く、いつまでも勉強は絶えないと思います。これからも皆さんに良い治療をする事を励んでいきます。あまりかっこいい事を書いてもおかしいので、今回のトピックに移ります。誰もが知っていると思いますが、歯が虫歯にすぐなってしまう人と全然ならない人がいます。簡単に不公平なものだと言いきれてしまいます。とても良く歯を磨いているのに簡単に虫歯が出来てしまう人がいますし、逆にいつも歯磨きをしていないのに虫歯は無いという人もいます。私たちの口内に子供の時に住み着き、そのまま残り住むばい菌の種類にとても関係していて、この事については、小さい子に虫歯菌をうつさない August 2014をよろしければホームページ上でお読み下さい。しかし、それと共に遺伝も関係していると考えられています。もちろんだからといって、虫歯の予防をあきらめてしまうのは間違えです。そこで、今回はこの虫歯が不公平にできる事について少し詳しく書きます。

虫歯が出来てしまうかしまわないかの理由の60%は遺伝だという結論がある論文に書かれています。そして良く患者さんから耳にするのが私は歯が弱いから虫歯がよくできるという事です。もちろん歯が固ければ固いほど穴があきにくいのですが、通常は遺伝的にはあまりエナメル質の硬さに大きな個人差はありません。遺伝的にエナメル質が柔らかく出来てしまう特殊な症状はまれにありますが、遺伝的にはそれ以上にいろいろな事が関わっています。まずは唾液の量と質です。唾液が多ければ多いほど虫歯菌が糖分を食べて作る酸を流しとり、また中和します。また唾液内にある殺菌要素が良くあれば、それなりに虫歯の予防になります。そして唾液の質もべっとりしているよりもさらさらしていたほうが酸を流しやすくします。唾液の量と質は遺伝的に人それぞれであります。また、遺伝的に甘いものを好みやすい人とそうでない人がいます。 そして、味覚が敏感な人のほうが味に鈍感な人よりも虫歯が少ないという研究結果があります。味覚には遺伝が関わっていると考えられていますが、それと虫歯との関連性ははっきりとはなぜなのかわかっていません。味に鈍感な人のほうが気にしないで甘いものをたくさん食べてしまうからなのかもしれません。

もちろん一番虫歯になりやすいかどうかを決める事柄は口内にどの種類のばい菌が住み着いているかだと考えられています。子供が1歳半から2歳半ぐらいまでの間が口内に一番ばい菌が感染する期間で、この時期に口内に感染したいろいろな種類のばい菌がだいたい同じに一生口内に住みつきます。つまりラッキーな人たちの口内にはずっと虫歯菌が少なく、非常にラッキーでない人たちの口内には虫歯菌が一生多いと考えられます。また、両極限ではなくある程度虫歯菌が口内に住んでいる人もいます。ここまでは遺伝のようではないのですが、実際はこの事にも遺伝が関係しているのではないかと考えられています。人によって遺伝的にある種のばい菌は簡単に受け入れてしまいある種は避けるという体質があるかもしれないのです。

ここまで読まれると、なんと不公平なのかと思われるかもしれません。しかし逆に良く考えると遺伝との関係は60%だけなのです。自分で出来る事がたくさんあります。エナメル質はフッ素を歯に塗ることによって、歯の表面だけですが、歯の分子と合体して硬くなります。従って、フッ素入りの歯磨き粉を毎日使う、またフッ素を歯医者さんに定期的に歯に塗ってもらうなど出来ることがあります。また、唾液の質や量は簡単には変えられなくても、出来るだけ食後は水で口内を濯ぐ、または水を飲むなど出来ます。甘いものが好きでも自分でいろいろ制御できます。お菓子はだらだらと何回も食べることがとても虫歯にしやすくするので、間食でのお菓子を減らすまたは避けるという事が出来ます。しかも体質が虫歯のばい菌を住みやすくしていたとしても、虫歯のばい菌は酸性の環境が住みやすい事がわかっているので、口内が酸性であることを減らす事が出来ます。糖分をだらだらと食べて虫歯菌に餌をあげ酸を作らせない、また出来るだけ酸性の飲み物(ソーダ、ジュース、スポーツドリンク)などを控えるなど出来る事です。しかも虫歯菌も歯槽膿漏にするばい菌も歯の表面にくっついていなければ害をあたえられません。ばい菌たちは粘々したものを作って歯の表面にどんどんついていき、繁殖するものです。このくっついていくばい菌たち(歯垢)を物理的に取り除く事が歯磨きとフロスを毎日する事の一番の理由です。朝起きた時と夜寝る前には必ずする事を本当にお勧めします。

何事でもそうなのですが、この世には自分でコントロール出来るものと出来ないものがあります。出来ないものは仕様がないですが、出来る事はもちろんできます。ですから、虫歯と歯槽膿漏に関しても予防に出来る事をできるだけしてください。歯医者での定期検診とクリーニングもして下さい。検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 
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