日本で保険を使っての根管治療はだめ　May 2023　　

簡単に根管治療とは虫歯が歯の神経のところまで届いてしまった場合、神経を歯根内から抜いて、そこを掃除してこの神経があった箇所に特別な詰め物を埋める治療です。この治療に関しては前にニュースレターで詳しく書いています。この記事、根管治療 April 2013を宜しければホームページ上でお読みください。つい最近、歯に関するデータや調査結果、また論文をオンラインで検索していたら、ある調査結果が目に入りました。日本では根管治療の成功率は３０％から５０％しかないというものでした。一応、私にとってはこの数値は驚きではなくまあそんなものだろうという感じでした。でも全然良く無いです。アメリカでは８０％から９０％の成功率が普通なのです。前の根幹治療の記事で一応触れている事柄なのですが、この事についてもう少し詳しく書きます。

日本でした根管治療の成功率についてのデータは少ないのですが、2005年から2006年の間に東京医科歯科大学で行われた調査結果がこの３０％から５０％という数値を記しています。そしてこの数値は日本で保険を使ってした根管治療のものです。しかも日本歯内療法学会（根管治療の学会）の調査では根管治療の際に使うべきなラバーダムというものを使用している日本の一般歯科医は全体の2.5%、そしてこの学会のメンバーさえもその中の25%だけとしています。ラバーダムとは根管治療をする際に口につけるゴムのシートで根管治療をする歯だけを表に出し、口内の唾液とばい菌が根管内に入らないようにするものです。このラバーダムは私のようにアメリカで歯科大を出てアメリカで治療をしていると、基本的に根管治療では当たり前に必要なものになっていて、使わないという事は例えば料理をする際それに必要なものをひとつはぶいてしてそのため料理はまずくなってしまうというようなものです。しかし、日本では保険を使っての根管治療の費用は自費でする際の7分の一から10分の一だとオンラインで記載されていました。つまり、歯医者さんからすれば経済的に赤字にならないためには、手間暇を出来るだけはぶいて、時間をかけないでするしかないのです。もちろんラバーダムを使うのには手間がかかります。また、私はとても多く日本でされた根管治療が不完全にしか埋まっていない事を診て来ているのですが、これも完全に埋めるなどという時間はないからと考えられます。

日本でも保険外で自費での根管治療をする歯医者さんがおられて、そういう歯医者さんたちはやはり良い根管治療をする事を励んでおられます。ただ、これ簡単にお金の事で、日本ではたくさんの歯医者さんと患者さんはこういうものなのだとして気にされていないようでもあります。だいたいの患者さんは治療費は日本は安く、アメリカは高いと認識しているようですが、根幹治療では治療内容にすごい違いが診えています。私は患者さんに出来れば根管治療は費用がかかってもアメリカでするべきと伝えています。もちろんアメリカだからといっても良い根管治療をする歯医者でなければいけません。そして、私はもし日本でするのであれば、自費になりやはり高額だが私共は良い根管治療をするという歯医者に行くか、もしくは日本でも医科歯科大学ですれば、良い治療になるのではないかと患者さんに伝えています。

困った事に、根管治療が不完全で、膿がたまってしまっているという場合、再治療は必要なのですが、前に変にされたものを治すのは難しいのです。アメリカでも根管治療の再治療の成功率は６０％ぐらいとされていて、でも、とても優れた根管治療の専門医であると８５から９０％になり得るとされています。従って、私は良い専門医の方を皆さんに紹介しています。もちろん、最初の根管治療があまりにも変であればもう治せないという事もあります。前にもいくつか日本の歯科について書いていて、それをここにリストにしておきます。昔ながらの“差し歯“はしないでくれ！June 2017、2人のおじさんと両親 October 2015、そして、質と量と需要と供給 January 2008など宜しければホームページ上でお読みください。

本来、日本だから、アメリカだからというよりも良い治療、また悪い治療をする先生はどの国でもいるわけです。従って、国によってどうのこうのというよりも、データと現状をみて、根管治療は日本で保険でしないという事は統計学的には合理的と言えます。もちろん、根管治療をしないといけなくなるまで虫歯を大きくしてしまわない事の方がもっと大事です。予防が一番です。毎日歯磨きとフロスを良くし、そして定期的に歯医者での検診とクリーニングをしてください。検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。